情報過多で疲れるのは情報量のせいではない|脳が軽くなる読み方

情報過多で疲れるのは情報量のせいではない|脳が軽くなる読み方

休みの日。たっぷり寝て、昼すぎまで横になっていた。それなのに、夕方になっても頭がぼんやりと重い。

スマホを閉じても、さっき見たニュースの見出しや、誰かの投稿が、頭の中で勝手に再生され続ける。特別なことは何もしていないのに、もう疲れている。

「休んでも疲れが取れない」。もしそう感じているなら、原因はあなたが触れた情報の”量”ではないかもしれません。

同じだけ情報に触れても、ぐったりする人と、平気な人がいます。その差は、脳が情報をどう処理しているかにあります。

この記事では、情報過多で疲れる本当の原因と、情報を遮断しなくても脳が軽くなる方法をお伝えします。

ManaBeラボ 浦地純也
  • 株式会社ManaBeラボ代表取締役
  • 中学校、高等学校理科教員免許
  • 国際ジェネラティブチェンジ協会ジェネラティブトランス修了資格
  • カリフォルニア大学発祥の心理学指導者資格

2013年、高知大学で理科教員免許を取得し、公立の高等学校で2年間理科教師として働く。その後速読に感銘を受け愛知県で速読教室と学習塾を開校。

その後、スタンフォード大学心理学博士のギリガン先生と出会い、「瞑想状態×速読」を用いた新しい速読メソッド【GSR(Generative Speed Reading)】をワールドクラスパートナーズ株式会社と開発。

2019年には、「人生を変える速読法 GSR」を出版。2025年までの10年間で44,000人以上への速読指導の実績。現在もオンラインで全国の人々へ向けて活動中。

目次

なぜ情報過多で疲れるのか

なぜ情報過多で疲れるのか

情報過多の疲れには、はっきりした仕組みがあります。そしてその仕組みは、「情報が多いから」だけでは説明できません。

ここから、なぜ疲れるのかを脳の働きから順にほどいていきます。原因がわかれば、対処の方向も見えてきます。

疲れる人と疲れない人の差はどこにあるか

結論から言うと、差は「情報の量」ではなく「情報の受け取り方」にあります。

たとえば、スマホでショート動画を見ているとき。映像・音声・字幕・広告が、いっぺんに、しかも勝手に流れ込んできます。脳にとって、かなり負荷の高い状態です。

しかも、自分から読みにいくのではなく、流れてくるものを受け取らされている。この受け身の状態が、脳をいちばん疲れさせます。

負荷が高いうえに受け身。脳にとっては最悪の組み合わせなんです。

逆に、同じ情報でも「これは要る、これは要らない」と自分で選びながら触れる人は、脳の負担がずっと軽い。だから疲れにくいんです。

同じ電車での30分でも、SNSを延々スクロールした日と、読みたい記事を1本だけ選んで読んだ日。降りたときの頭の重さは、まるで違いますよね。

疲れの正体は脳の処理コスト

脳には「作業机」のようなスペースがあります。パソコンのメモリや、料理の調理台をイメージしてください。

この机が広く片づいていれば、入ってきた情報をスムーズにさばけます。ところが現実の机は、たいてい散らかっています。

「あのメール、まだ返してない」「夕飯どうしよう」「さっきの上司の言い方」。こうした考えごとが、机の上をずっと占領しているんです。

机が埋まったまま新しい情報を受け取ると、脳はそれを片づけながら処理することになります。情報ひとつをさばくのに、よけいなエネルギーがかかる。

私はこれを「脳の処理コストが高い状態」と呼んでいます。

処理コストが高い人は、1記事を読むだけでも消耗します。「ちゃんと読んだのに思い出せない」のも、机が埋まっていて情報を置く場所がなかったから。疲れの正体は、この処理コストの高さです。

休んでも回復しない脳疲労の仕組み

「たっぷり寝たのに、休んだ気がしない」。これも気のせいではありません。

脳には、何もしていないときほど活発になるモードがあります。車のアイドリングのような状態で、デフォルトモードネットワークと呼ばれます。

やっかいなのは、このアイドリング中に脳がしていることです。過去の失敗を思い出したり、起きてもいない不安を先回りで心配したり。考えごとのループが、勝手に回り続けます。

しかも、脳が使うエネルギーの7〜8割が、このアイドリングで消費されるといわれています。ぼんやりしているつもりでも、脳はフル稼働なんです。

ある研究では、人は昨日と約95%同じことを考えているとされています。同じ心配を、毎日くり返し再生しているわけです。

だから、ただ寝る・ゴロゴロする・温泉に行くだけでは、この疲れは抜けにくい。体の疲れは取れても、脳のアイドリングは止まっていないからです。

ひとつ言い添えると、これは脳が怠けているのではありません。むしろ逆で、脳が働きすぎている状態です。あなたの心が弱いわけではないんです。

情報を減らしても疲れが取れない理由

情報を減らしても疲れが取れない理由

「じゃあ、情報を減らせばいいのでは」。ここまで読むと、そう思うのが自然です。

たしかに情報を減らすのは効果があります。ただ、それだけでは疲れが戻ってきてしまう理由があります。

デジタルデトックスが続かない仕組み

スマホを置く、SNSを見ない、ニュースを断つ。いわゆるデジタルデトックスです。

やってみると、たしかに少し楽になります。情報の入り口を閉じるのですから、当然です。

でも、ここに落とし穴があります。スマホを手放しても、さっき話した脳のアイドリングは止まらないんです。

むしろ、することがなくなった脳は、考えごとのループを加速させることがあります。無理に頭を空っぽにしようとするほど、雑念は増える。

そして何より、情報ゼロの生活はずっとは続けられません。数日断っても、戻ればまた同じ。デジタルデトックスが一時しのぎで終わるのは、このためです。

仕事で触れる情報は自分では減らせない

もうひとつ、見落とされがちな問題があります。

減らせる情報と、減らせない情報がある、ということです。

プライベートのSNSやニュースは、自分の意思で減らせます。けれど、仕事のメール・資料・チャットはどうでしょう。

「今日は情報疲れなので資料を読みません」とは、言えませんよね。

膨大な資料やメールを読み込むのに時間がかかり、毎日残業で疲れていく。この部分には、「減らす」という対処法がまったく効かないんです。

鍵は情報量ではなく脳の処理の軽さ

ここで、発想を切り替える必要があります。

情報を減らす。これは「引き算」の発想です。届く情報の量を絞ろうとしています。

でも、疲れの正体が「脳の処理コスト」だったことを思い出してください。だとすれば、本当に必要なのは別のことです。

情報ひとつあたりの処理コストを下げること。つまり、脳が情報を軽くさばけるようにする「足し算」の発想です。

処理が軽くなれば、同じ量の情報に触れても疲れません。仕事の資料が減らせなくても大丈夫。受け取る側の脳が変われば、それでいいんです。

では、脳の処理を軽くするには何をすればいいのか。次の章で具体的に見ていきます。

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脳の処理コストを下げる3つの習慣

脳の処理を軽くする方法は、大きく3つあります。

特別な道具も、まとまった時間もいりません。どれも、脳の使い方を少し変えるだけです。

脳の緊張をゆるめて雑念を手放す

ひとつ目は、脳の緊張をゆるめることです。

脳が緊張モードのままだと、処理は重くなります。机の上の考えごとも片づきません。

すぐできるのは、呼吸です。5秒かけて息を吸い、10秒かけてゆっくり吐く。これを2〜3回くり返すだけで、脳は落ち着きはじめます。

もう少し効くのが、1分間の「前読み瞑想」です。軽く目を閉じて、呼吸だけに意識を向けます。

このとき、雑念が浮かんでも追い払わなくて大丈夫。「あ、考えごとしてたな」と気づいて、また呼吸に戻る。それだけでいいんです。

これは、散らかった作業机をいったん片づける作業です。机が片づけば、次に入ってくる情報を軽くさばけます。

すべての情報に反応しようとしない

ふたつ目は、すべての情報に反応しないことです。

私たちの脳は、1秒間におよそ125,000文字ぶんもの情報を受け取っているといわれます。とても全部は処理できません。

そこで脳には、フィルターが備わっています。自分に必要な情報だけを拾い、残りを通り過ぎさせる仕組みです。

このフィルターは、「問い」を持つと働きはじめます。

たとえばニュースを開く前に、「今日、自分が知りたいことは何か」をひとつ決める。それだけで、脳は関係する情報を拾い、それ以外を素通りさせます。

逆に、目的を決めずに「全部見ておこう」とすると、フィルターが効きません。どうでもいい情報まで机に乗り、処理コストだけが膨らみます。

全部を受け取らない。これは、サボりではなく脳の正しい使い方なんです。

文字を頭の中で音読しない

3つ目が、いちばん効きます。文字を頭の中で音読しないことです。

私たちの多くは、文字を読むとき、頭の中で声に出しています。これを「内声化」といいます。

内声化は、本だけの話ではありません。SNSの投稿も、ニュースも、メールも、チャットも。文字を読むとき、ほぼ無意識にやっています。

これが、処理コストを大きく押し上げます。理由は2つです。

ひとつは、読む速度が「声に出せる速さ」まで落ちること。もうひとつは、脳の作業机の一部を、音読がずっと占領してしまうことです。

机が音読でふさがると、意味を理解する力が削られます。「読んだのに頭に残らない」「読んでいると眠くなる」のは、これが原因です。

では、音読せずに読めるのか。実は、あなたはもうできています。

レストランのメニューを見るとき、映画の字幕を追うとき。いちいち頭の中で読み上げてはいないはずです。見た瞬間に、意味がわかっている。

この「見て理解する」読み方を、文章にも広げる。それが、処理コストを下げる3つ目の習慣です。

情報に振り回されない脳をつくる「速読法GSR」とは

ここまで紹介した3つ。脳の緊張をゆるめる、すべてに反応しない、頭の中で音読しない。

この「脳が情報を軽くさばく状態づくり」を、日々大量に触れる文章や情報の処理に特化して体系化したものがあります。それが、私が教えている速読法GSRです。

「速読」と聞くと、身構えるかもしれません。少し意外に思える話を、ここから続けます。

速読法GSRは情報処理の負荷を下げるメソッド

速読法GSRは、スタンフォード大学の心理学博士スティーブン・ギリガン先生らが開発した瞑想状態「ジェネラティブ」と、最新の脳科学を組み合わせた読み方です。

これまで44,690人以上が体験し、小学4年生から82歳まで効果を実感しています。

GSRがやろうとしているのは、ただ速く読むことではありません。脳の情報処理能力そのものを底上げすることです。

身につけるのは、これまで紹介した「脳の状態づくり」と「音読しない読み方」。この2つをセットで習慣にします。

机を片づけ、フィルターを働かせ、音読をやめる。それが同時にできるようになると、情報ひとつあたりの処理コストが下がります。

速く読めると情報疲れが減る理由

ここで、ひとつの疑問が浮かぶはずです。

「情報に疲れているのに、速く読めるようになったら、逆効果ではないか」と。

もっともな疑問です。でも、GSRは「もっとたくさん読むための技術」ではありません。

GSRが下げるのは、情報ひとつあたりの処理の重さです。同じ1通のメール、同じ1本の記事を、より軽い負担でさばけるようになります。

考えてみてください。速く読めないのは、脳の処理が遅いからです。処理が遅い脳は、ゆっくり読むしかなく、しかも疲れます。

処理そのものが軽く・速くなれば、同じ情報量でも脳はぐったりしません。「速く読める」と「疲れにくい」は、同じことの裏表なんです。

念のためお伝えすると、GSRを学べば疲れが消える、という魔法の話ではありません。脳の使い方を整えていく過程で、情報に振り回されにくくなる。そういう、地に足のついた変化です。

もし「自分の脳の使い方を変えられるかもしれない」と感じたら、速読法GSRの仕組みをまとめた解説記事をのぞいてみてください。

速く読んで内容は頭に入るのか

速読の話をすると、必ず出てくる不安があります。

「速く読んだら、内容が頭に入らないのでは」。そして「疲れている自分に、続けられるのか」。この2つに、先に答えておきます。

飛ばし読みと速読法GSRの違い

多くの人が思い浮かべる速読は、ページをパラパラめくる飛ばし読みでしょう。

正直に言います。あのパラパラめくりは、内容を理解する読み方ではありません。脳を慣らすための訓練の一種で、「読書」とは別物です。

速読法GSRが目指すのは、まったく違います。頭の中の音読をやめて、文字を見て理解する。理解をともなう読み方です。

ただし、目指す理解度は100%ではありません。要点、大枠、著者がいちばん言いたいこと。そこをつかむ、30〜60%の理解を目標にします。

「それで足りるの?」と思うかもしれません。次で、その理由を説明します。

30%の理解でも頭に残る仕組み

まず、最初の理解は30%でかまいません。全体の骨組みをつかんでから、必要な部分だけ詳しく読めばいいんです。

そして、ここが大事なところです。記憶は「読んだ回数」では決まりません。「思い出した回数」で決まります

一字一句を完璧に読んでも、読みっぱなしなら残りません。逆に、ざっと要点をつかんで、あとで思い出したり書き出したりすると、しっかり定着します。

実は、100%理解しようとするほど、頭には残りにくくなります

細かい情報で脳の作業机が埋まり、全体をまとめる場所がなくなるからです。「完璧に読んだのに思い出せない」のは、これが理由でした。

要点をつかむ読み方は、手抜きではありません。記憶に残すための、理にかなったやり方なんです。

疲れているときでも続けられる理由

もうひとつの不安、「疲れていて続けられるか」にも答えます。

GSRは、長時間の特訓や根性を必要としません

5秒吸って10秒吐く呼吸。1分の前読み瞑想。どれも、疲れている日でもできる軽さです。

そして、読書そのものに脳を休める働きがあります。

本を読んでいるとき、体は副交感神経が優位になり、呼吸が深くなります。2009年の研究では、わずか6分間の読書でストレスが約70%軽減したと報告されています。

「疲れているのに読むなんて」と感じるかもしれません。でも、正しく読む読書は、脳の休息にもなるんです。

読書はメンタルの改善やストレス解消にもつながる

受講者に起きた変化

実際に速読法GSRを学んだ方たちに、どんな変化が起きたか。

共通しているのは、読書スピードの数字よりも、「情報との向き合い方」が変わったことです。

毎日の情報に追われる感覚が薄れ、脳の消耗が減り、気持ちにも余裕が生まれる。そういう変化が、くり返し報告されています。

受講者の声_益永比呂子さん

受講者の声_本図木綿子さん

受講者の声_IHさん

数字に追われていた人が、落ち着きを取り戻す。隅から隅まで読まないと気がすまなかった人が、要点だけをつかめるようになる。

これは偶然ではありません。脳の処理コストが下がると、同じ量の情報に触れても消耗しなくなる。だから、心にも余白が生まれるんです。

GSRを学んだ受講生の読書速度は、中央値で20.68倍に伸びています。けれど本当に変わったのは、速さよりも、情報に振り回されない脳のほうです。

同じ変化は、あなたにも起こり得ます。

GSRがどんな手順で脳を変えていくのか、詳しい解説記事を用意しています。気になった方は、こちらをご覧ください。

情報過多の疲れと速読についてよくある質問

情報過多で疲れる原因は何ですか?

原因は情報の量ではなく、脳の処理コストの高さです。雑念で脳の作業領域が埋まり、すべての情報に反応し、文字を頭の中で音読する。この読み方が、情報ひとつあたりの負担を押し上げます。同じ量の情報でも、処理の仕方しだいで疲れ方は大きく変わります。

情報を減らせば疲れは取れますか?

一時的には楽になりますが、根本解決にはなりません。スマホを手放しても脳のアイドリングは止まらず、考えごとのループは回り続けます。さらに、仕事のメールや資料は自分では減らせません。情報を減らすより、脳が情報を軽く処理できる状態をつくるほうが現実的です。

しっかり寝ても疲れが取れないのはなぜですか?

脳が休んでいる間も働き続けているからです。何もしていないときほど活発になるモードがあり、過去の後悔や未来の不安を勝手に再生し続けます。脳の消費エネルギーの7〜8割が、ここで使われます。体の疲れは取れても脳の疲れは残るため、寝るだけでは回復しきれません。

速読を覚えると、もっと情報を浴びて逆に疲れませんか?

いいえ。速読法GSRは、読む量を増やすための技術ではありません。下げるのは、情報ひとつあたりの処理の重さです。脳の処理能力そのものが上がるため、同じ量のメールや記事でも、より軽い負担でさばけるようになります。「速く読める」と「疲れにくい」は同じことの裏表です。

速く読むと内容が頭に入らないのでは?

いいえ。速読法GSRは飛ばし読みではなく、文字を見て理解する読み方です。目指す理解度は30〜60%で、まず要点と全体像をつかみます。記憶は思い出した回数で定着するため、要点をつかんで思い出すほうが、一字一句を完璧に読むよりかえって頭に残ります。

年齢が高くても脳の使い方は変えられますか?

はい。脳は何歳からでも変化できます。速読法GSRはこれまで44,690人以上が体験し、小学4年生から82歳まで効果を実感しています。情報疲れの原因は加齢ではなく脳の使い方なので、使い方を整えれば、年齢に関係なく変えられます。

まとめ

情報過多で疲れるのは、情報の量が多いからではありません。脳が情報を重く処理しているからです。

雑念で作業机が埋まり、すべてに反応し、頭の中で音読する。この読み方が、情報ひとつあたりの処理コストを押し上げています。

だから、情報を遮断する「引き算」だけでは疲れは取れません。仕事の情報は、そもそも減らせないのですから。

必要なのは、脳が情報を軽くさばけるようにする「足し算」です。

脳の緊張をゆるめ、フィルターを働かせ、音読をやめる。この状態づくりを体系化したのが、速読法GSRでした。

休んでも疲れが取れない毎日は、あなたの能力や気力のせいではありません。脳の使い方は、何歳からでも変えられます

まずは、速読法GSRの仕組みをのぞいてみてください。情報に振り回されない脳への、最初の一歩になります。

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