会議で人の名前がとっさに出てこなかったり資料を読み返す回数が増えたりして、脳トレでもやったほうがいいのかなと思ったことはありませんか?でも脳トレアプリやパズルが本当に効くのかはいまひとつ分からないですよね。
年のせいだから仕方ないとあきらめかけている人も多いと思います。でも大人の脳も使い方しだいで変わることは研究でちゃんと確かめられているんです。
脳トレとは、記憶や注意、判断の速さといった頭の働きを意図して使う取り組みのことです。ただしドリルやアプリは練習した問題がうまくなっても、仕事や生活の力までは広がりにくいことが分かっています。
効くのは体を動かす・新しいことを学ぶ・毎日の読み方を変えるなど、日常そのものを変える脳トレです。
この記事では脳トレの意味と効果をめぐる研究・根拠のある大人の脳トレ5つ・続けるコツを紹介します。

脳トレを仕事の力につなげるにはドリルより、毎日の資料やメールを読む作業そのものを練習の場にするほうが近道です。私が教えている速読法GSRで読む前に頭を整えて頭の中の音読を減らす読み方は、下の無料の入門動画講座で先に確かめられます。
この記事の執筆・監修
浦地純也(しゃっく)
速読メソッド「GSR」講師 / 株式会社ManaBeラボ 代表取締役

- 株式会社ManaBeラボ代表取締役
- 中学校、高等学校理科教員免許
- 国際ジェネラティブチェンジ協会ジェネラティブトランス修了資格
- カリフォルニア大学発祥の心理学指導者資格
2013年、高知大学で理科教員免許を取得し、公立の高等学校で2年間理科教師として働く。その後速読に感銘を受け愛知県で速読教室と学習塾を開校。
その後、スタンフォード大学心理学博士のギリガン先生と出会い、「瞑想状態×速読」を用いた新しい速読メソッド【GSR(Generative Speed Reading)】をワールドクラスパートナーズ株式会社と開発。
2019年には、「人生を変える速読法 GSR」を出版。2025年までの10年間で44,000人以上への速読指導の実績。現在もオンラインで全国の人々へ向けて活動中。
脳トレとは?意味と鍛えられる力

脳トレとは脳のトレーニングの略で、記憶・注意・処理の速さ・判断といった頭の働きを意図して使って保ったり伸ばしたりする取り組みの総称です。
ドリルやアプリだけが脳トレではない
脳トレという言葉が広まったのは東北大学の川島隆太教授が監修した携帯ゲーム機のソフトがきっかけです。そのため計算ドリルやパズル・アプリを思い浮かべる人が多いと思います。
でも実際にはウォーキング・楽器・語学・料理・読書など、頭に新しい負荷がかかる活動はどれも脳トレになります。道具より、どんな力をどう使うかのほうが大切なんです。
| 鍛えられる力 | 仕事で使う場面 |
|---|---|
| 記憶 | 人の名前、手順、数字を覚えておく |
| 注意 | 資料の誤字や数字のずれに気づく |
| 処理の速さ | メールや資料をすばやく読んで判断する |
| 判断・段取り | 優先順位を決めて、仕事の手順を組み立てる |
大人の脳も使い方で変わる
脳は大人になってからも使い方に合わせて変わり続けます。神経細胞どうしのつながりはよく使う回路ほど強くなっていきます。
55〜80歳の120人を調べた研究では、週3回40分のウォーキングを1年続けた人の海馬(記憶にかかわる場所)が約2%大きくなっていました(出典:Erickson ほか(2011)PNAS)。
ストレッチだけをした人では、逆に約1.4%減っていたんです。
ただ大人の脳で新しい神経細胞がどれだけ生まれるかは研究者の間でもまだ議論が続いています。もう遅いということはない一方で何でも若返ると考えるのも行き過ぎなんですね。
考える・決める・感情を抑える前頭葉を毎日の習慣で鍛える方法は前頭葉を鍛える方法で紹介しています。
脳トレに効果はある?研究でわかったこと

脳トレには効果があります。ただし練習した課題が上手になる効果がほとんどで、仕事や生活の力まで広がる効果は限られるというのが研究の結論です。
練習した能力は長く保たれる
アメリカで65歳以上の2,832人を追ったACTIVE研究では推論と処理の速さの練習をした人は、10年後もその能力を保っていました(出典:米国国立老化研究所)。一方記憶の練習をしたグループの差は消えていました。
2026年に発表された20年後の分析では処理の速さの練習に追加の練習も受けた人で、認知症と診断された割合が約25%低くなっていました(出典:ジョンズ・ホプキンス大学 2026年2月)。
ただしこれは関連が見られたという段階で、脳トレで認知症を防げると言い切れるものではありません。追加の練習を受けなかった人には差がなかったことから続けることの大切さを示す結果といえます。

仕事や生活の力までは広がりにくい
ゲームやドリルのスコアが上がっても別の場面の力までは伸びにくいことが分かっています。
脳トレの研究を幅広く調べた2016年の総説は練習した課題は上手になるものの、日常の能力まで高まるという十分な根拠はないと結論づけました(出典:Simons ほか(2016))。
同じ年、脳トレアプリのLumosityは根拠のない広告をしたとして、アメリカの連邦取引委員会に200万ドルを支払って和解しています(出典:FTC 2016年1月)。
しゃっくアプリのスコアが上がると頭が良くなった気がしますよね。でも上手になったのはそのアプリなんです。
効果が出やすい脳トレの3つの条件
研究から見えてくる効果が出やすい脳トレの条件は鍛えたい場面に近いこと・少し難しいこと・続けられることの3つです。


つまり脳トレを選ぶときは、どんな力をどの場面で使いたいかから逆算するのが近道なんです。
研究で根拠がある大人の脳トレ5つ
大人の脳トレでおすすめなのは有酸素運動・新しいことを学ぶ・計算やパズルを速さを意識して使う・読書と音読・瞑想で頭を休ませるの5つです。
有酸素運動をする
根拠がいちばん厚い脳トレは早歩きなどの有酸素運動です。
先ほどのウォーキングの研究のように体を動かすと記憶にかかわる海馬にも変化が表れます。いきなり走らなくても少し息が上がる早歩きで十分です。
通勤でひと駅分歩く・昼休みに10分外を歩くなど、生活の中に組み込むと続きやすくなります。


新しいことを学ぶ
楽器・語学・料理などやったことのないことを学ぶのも脳トレになります。
慣れた作業は頭をあまり使わずにこなせますが、新しいことは段取りを考え手を動かし、うまくいかなければ直すという作業の連続です。慣れたパズルを続けるより新しいことを学ぶほうが記憶が伸びたという研究もあります。
パズルと新しい学びを比べた研究や50代から脳の老化を防ぐ生活習慣は、こちらの記事で紹介しています。


計算やパズルは速さを意識して使う
計算やパズル・アプリを使うなら速く正確に解くことを意識すると処理の速さの練習になります。
川島隆太教授の研究では、やさしい計算を速く解くときや音読をするときに前頭前野がよく働くことが分かっています(出典:JST Science Portal)。
難しい問題をじっくり解くよりスラスラ解けるものを速く、が向いているんです。
ただ先ほどのとおり上手になるのはその課題です。アプリは毎日頭を使うきっかけと割り切り、ほかの脳トレと組み合わせてください。
本を読む・声に出して読む
読書は文字を見て意味をつかみ、前の内容と結びつけて考えるいくつもの働きを同時に使う脳トレです。
声に出して読む音読も、川島教授の研究で前頭前野がよく働くことが確かめられています。寝る前の10分をスマホから本に変えるだけでも頭の使い方は変わっていきます。
読むことは仕事で毎日使う力に直結する脳トレでもあります。この点はこのあとくわしく説明しますね。
瞑想で頭を休ませる
頭を使うだけでなく頭を静める時間をつくるのも脳トレのひとつです。
考えごとが頭の中で回り続けているとどんな脳トレをしても集中できません。呼吸に注意を向け考えがそれたら戻す瞑想を数分するだけでも、頭が切り替わりやすくなります。
考えが止まらないときの脳タイプ別の整え方はこちらで紹介しています。


5つの脳トレの特徴をまとめると次のとおりです。
| 脳トレ | 伸びやすい力 | 始め方の例 |
|---|---|---|
| 有酸素運動 | 記憶・頭全体の土台 | ひと駅分の早歩き |
| 新しいことを学ぶ | 段取り・記憶 | 楽器や語学を1日15分 |
| 計算・パズル | 処理の速さ | やさしい計算を速く解く |
| 読書・音読 | 理解・処理の速さ | 寝る前の10分を本に |
| 瞑想 | 注意の切り替え | 朝に呼吸を5分 |
脳トレを続ける3つのコツ
脳トレを続けるコツは楽しいものを選ぶこと・1日10〜15分から始めること・2か月を目安にすることの3つです。
楽しいと思えるものを選ぶ
脳トレは義務にした瞬間に続かなくなります。
体にいいからと嫌いな運動を選ぶより、少しでも面白いと思えるものを選んだほうが結果的に長く続きます。好きな音楽を聴きながら歩くなど楽しみと組み合わせるのもおすすめです。
1日10〜15分から始める
最初から長くやろうとせず1日10〜15分を週3〜4回くらいから始めてください。
仕事で疲れた日に1時間の脳トレは続きません。歯みがきの後に音読を5分・通勤でひと駅歩くなど、毎日すでにしていることの前後にくっつけると考えなくても始められるようになります。


2か月を目安に続ける
新しい行動が習慣になるまでの日数は人によって18〜254日と幅があり中央値は66日でした(出典:Lally ほか(2010))。
よく聞く21日で習慣になるという話は、研究の裏づけがありません。2か月ほどは続ける意識を持ち、休んだ日があっても次の日から再開すれば十分です。



1日休んでも習慣づくりにはほとんど影響しないんです。やめずに戻ってくることのほうが大事ですよ。
仕事で使う頭を鍛えるなら読む脳トレが近い
40〜50代の社会人が脳トレで伸ばしたいのは、たいてい仕事で使う頭です。それなら毎日の読み方を変える脳トレがいちばん近道なんです。



脳トレのために時間をつくらなくても毎日読んでいる資料をそのまま練習に使えるんですよ。
仕事の頭の使い方は読むことに集まっている
メールを読む・資料をつかむ・議事録をまとめる・AIが出した文章を確かめるなど、仕事の多くは文字を受け取って処理する作業です。
脳トレの効果は鍛えた場面に近いほど出やすいのでしたね。パズルのスコアを上げるより、毎日読んでいる文章の処理を速くしたほうが仕事にはそのまま効いてきます。
最近もの覚えが悪くなったと感じる人も覚える前の読む段階で取りこぼしていることが少なくありません。年齢のせいかどうかを見分ける方法はこちらの記事でまとめています。


読む練習で脳のつながりが変わった研究
読み方の練習で読む速さや脳の働き方が変わることも研究で示されています。
広島大学の森田愛子氏らの研究(2015年、大学生43人)では、視野を広げる練習に頭の中の音読を減らす練習を加えたトレーニングを1日約5分・1週間続けました。
その結果読書速度が平均約60%上昇しています(出典:森田・小澤(2015)日本教育工学会論文誌)。
京都大学大学院医学研究科などの2024年の研究では速読の訓練による変化が左脳の後頭葉から側頭葉のネットワークに表れていました(出典:Sun ほか(2024))。


速読法GSRは読む前に頭を整えて読み方を変える
私が教えている速読法GSRは読む前に頭を整えてから、読み方そのものを変える速読です。目を速く動かす練習やページを飛ばす読み方ではありません。
本を開く前に姿勢と呼吸を整えて頭の中の雑念を片づけ、そのうえで頭の中の音読を減らして文字から直接意味をつかむ読み方を練習します。5つ目の脳トレの瞑想と、4つ目の読書を組み合わせたような練習なんです。
毎日読む資料やメールがそのまま練習の材料になるので、わざわざ脳トレの時間をつくらなくても仕事をしながら頭の使い方を変えていけます。




読み方を変えて頭の使い方が変わった受講者の声
速読法GSRを学んだ方からは、読む速さだけでなく仕事の進め方が変わったという声が届いています。
ここでは次のような変化があった方の声を紹介します。
- 読む速さが受講前の119倍になり、速いスピードで仕事ができるようになった
- 以前は1冊に1〜2か月かかったのが、短時間で要点をつかめるようになった
- 読んだ内容を思い出で終わらせずアウトプットまでできるようになった


本を読む速度が、GSR受講前と比べると119倍速くなりました。ただ速くなっただけではなく仕事に活かせるアウトプットもできています。個人的には、「速いスピード」で仕事をすることが自然にでき、生産性が上がったことが嬉しかったです。


速読とは、「結局アウトプットできないもの」と思っていました。受講後は、短時間で読み、本の要点を理解をしながらアウトプットできるようになりました。以前は1冊1〜2ヶ月かけて読んでも、全然記憶していなかったので大きな変化です。その結果、すきま時間を活用して副業の勉強と実践ができるようになり、本業と同じくらい稼ぐ事ができるようになりました。今では完全に会社を辞めて、楽しく働いています。


読書した内容を「ただの思い出」に終わらせることなく、アウトプットまでできるようになりました。いまは、もっと読みたい!と好奇心が湧くようになり、読書をする時間も確保できています。
以前までは、ドラマの台本や映像を隅から隅まで見返し、とても時間がかかっていました。しかし、GSRをやってからは短い時間で要点を捉えるだけで周りからの質問にも答えられるようになった。
時間にゆとりができ心に余裕を持つことができました。
無料教材を含めて累計45,000人超が活用
速読法GSRは、無料教材を含めて累計45,000人を超える方に活用されています(2026年5月時点、PR-FREE)。
まずは無料の入門動画講座で読み方を確かめる
仕事で使う頭を本気で鍛えたいなら、毎日いちばん長く使っている読む力を変えるのが近道です。まずは無料の入門動画講座で読む前に頭を整える手順と頭の中の音読を減らす読み方を試してみてください。
動画を最後まで見ると通常5,000円のGSRオンライン体験会に無料で参加できます。講座はメールアドレスだけで受け取れます。
脳トレについてよくある質問
- 脳トレは意味ないって本当ですか?
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練習した課題が上手になる効果はあります。ただゲームやドリルのスコアが上がっても、仕事や生活の力までは広がりにくいことが研究で分かっています。鍛えたい場面に近い練習を選ぶと意味のある脳トレになります。
- 大人になってから脳トレを始めても効果はありますか?
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あります。55〜80歳の人がウォーキングを1年続けて、記憶にかかわる海馬の大きさが約2%増えた研究もあります。年齢より何をどのくらい続けるかのほうが大切です。
- 脳トレアプリは効果がありますか?
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アプリの課題は上手になりますが、日常の力まで伸びる十分な根拠はありません。毎日頭を使うきっかけとして割り切り、運動や読書と組み合わせて使ってください。
- 脳トレは1日何分やればいいですか?
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1日10〜15分を週3〜4回くらいから始めるのがおすすめです。長さより続けることが大切なので2か月ほどを目安に生活の中に組み込んでください。
- 脳トレで認知症は予防できますか?
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脳トレだけで防げると言い切れる研究はありません。処理の速さの練習を続けた人で認知症と診断される割合が低かったという報告はありますが、関連が見られた段階です。
- 仕事に効く脳トレはありますか?
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仕事で毎日使う読む力を鍛える練習が近道です。メールや資料を読む速さと要点をつかむ力が上がると仕事の多くの場面に効いてきます。
まとめ
年のせいだとあきらめる前に脳トレの選び方を見直してみてください。この記事のポイントを並べておきますね。
- 脳トレとは記憶・注意・処理の速さ・判断などの頭の働きを意図して使う取り組み
- 練習した課題は上手になるが、仕事や生活の力までは広がりにくい
- 効果が出やすいのは鍛えたい場面に近く・少し難しく・続けられる脳トレ
- 有酸素運動・新しい学び・速さを意識した計算・読書と音読・瞑想の5つを組み合わせる
- 仕事で使う頭を鍛えるなら毎日の読み方を変える脳トレが近い
今日できる小さな一歩は、帰り道にひと駅分歩くか寝る前の10分を本に変えてみることです。小さく始めて2か月続けるところから頭の使い方は変わっていきます。













