小学生・中高生におすすめの脳トレ|遊びが最高の脳力トレーニングになる8選

小学生・中高生におすすめの脳トレ|遊びが最高の脳力トレーニングになる8選

「うちの子の頭をもっとよくしてあげたい」——そう思って脳トレを調べ始めると、ドリル、アプリ、塾、習い事と選択肢が多すぎて手が止まる。そんな経験はありませんか。

実は子どもの脳には、大人にはない大きな強みがあります。そして最新の脳科学が示しているのは、特別な教材を買い込むより、ある身近な過ごし方の方がずっと脳を伸ばすという事実です。

この記事では、小学生・中高生の年代別に「楽しく続けられる脳トレ」を、エビデンスとともに紹介します。読み終える頃には、明日から家庭で何を始めればいいかが見えているはずです。

ManaBeラボ 浦地純也
  • 株式会社ManaBeラボ代表取締役
  • 中学校、高等学校理科教員免許
  • 国際ジェネラティブチェンジ協会ジェネラティブトランス修了資格
  • カリフォルニア大学発祥の心理学指導者資格

2013年、高知大学で理科教員免許を取得し、公立の高等学校で2年間理科教師として働く。その後速読に感銘を受け愛知県で速読教室と学習塾を開校。

その後、スタンフォード大学心理学博士のギリガン先生と出会い、「瞑想状態×速読」を用いた新しい速読メソッド【GSR(Generative Speed Reading)】をワールドクラスパートナーズ株式会社と開発。

2019年には、「人生を変える速読法 GSR」を出版。2025年までの10年間で44,000人以上への速読指導の実績。現在もオンラインで全国の人々へ向けて活動中。

目次

子どもの脳の特性と脳トレの考え方

子どもの脳の特性と脳トレの考え方

子ども向けの脳トレを選ぶ前に、まず知っておきたいことがあります。それは、子どもの脳と大人の脳は別物だという事実です。ここを押さえると、何を選び、何をやらせないかの判断軸が一気にクリアになります。

子どもの脳は特に変化しやすい

人の脳は、3歳までに約80%、6歳までに約90%が形成されると言われています。この時期に受けた刺激は、神経回路の土台としてそのまま残ります。

そして小学生・中高生の年代も、まだまだ脳は柔らかい。大人と比べて子どもの脳は可塑性(変化しやすさ)が高く、学習や経験が神経回路に反映されやすいことが、神経科学の研究でも示されています(出典:Frontiers in Human Neuroscience, 2020)。

つまり今この時期に何を経験させるかは、大人になってからのトレーニングよりずっと効率よく脳に染み込んでいくのです。

楽しいことが最高の脳トレ——遊びと脳トレの境界線

ここで親が陥りがちな誤解があります。脳トレといえば専用ドリルやアプリでやらせるもの、というイメージです。

しかし脳科学者の篠原菊紀先生は、こう語っています。「まちがい探しは観察力・集中力・判断力を鍛え、さらにリラックス効果もある。楽しみながら脳を使うことが重要」(出典:Gakken Kids)。

ポイントは「楽しみながら」の部分です。ストレスをかけて無理にやらせると、ストレスホルモンのコルチゾールが増え、記憶を司る海馬を逆に弱らせてしまいます。

運動栄養学の研究でも、習慣的な運動が子どもの認知機能を改善することが示されており、特に「もともと認知機能が低い子どもほどプラス効果が大きい」と報告されています(出典:Sports Nutrition & Diet Journal)。

机に向かっている時間が、脳が育っている時間とは限りません。むしろ外で走り回ったり、家族で笑いながらゲームをしている時間こそ、脳が一番育っています。

小学生におすすめの脳トレ5選

小学生におすすめの脳トレ5選

小学生の脳トレで大切なのは、特別な教材を買うことではなく、毎日の暮らしの中に脳が喜ぶ時間を増やすことです。ここでは家庭ですぐ取り入れられて、かつ科学的根拠がある5つを紹介します。

1. 外遊び・スポーツ(最もエビデンスが厚い)

「うちの子、もう少し集中力があれば……」と感じたことはありませんか。そんなときに最初に勧めたいのは、ドリルではなく外で体を動かす時間です。

兵庫県豊岡市が行った検証では、運動遊びを取り入れた子どもたちに集中課題の成績向上が見られ、計画や注意の中枢である前頭前野背外側部の活動が高まることが確認されています(出典:豊岡市・運動遊び事業効果検証資料)。

さらに外遊びでは、目で見た情報を瞬時に分析し、筋肉を動かして対応するという流れが繰り返されます。これにより、図形問題や球技で必要になる空間認識能力も自然に育っていきます(出典:ちいくがんぐ)。

公園で鬼ごっこをしている1時間は、ドリル30分よりずっと脳トレになっていると言ってもいいでしょう。

2. 読み聞かせ・読書(語彙・共感・記憶を育てる)

お茶の水女子大学の脳科学者・毛内拡氏は、幼少期の読み聞かせ体験が子どもの読書習慣の土台になると指摘しています。読書は心地よい・楽しい——その記憶が脳に残ることで、自分から本に手を伸ばす子に育っていくのです。

さらに読み聞かせ中の、これどういうこと?・次どうなると思う?といった親子の対話そのものが、社会性や心の発達を促します。本の内容より、本を媒介にした親子の交流に大きな価値があるという見方です。

読書中の脳では、ミラーシステムと呼ばれる共感回路が働き、登場人物の体験を自分のことのように追体験できます。本を1冊読み終えたとき、子どもの中には実体験に近い他者理解が静かに積み上がっています。

寝る前の10分でかまいません。同じ本を何度も読みたがる時期は、脳がちゃんと味わいたいと求めているサインです。

3. ボードゲーム・アナログゲーム(実行機能を育てる)

近年、教育の現場でも注目されているのがボードゲームです。

ボードゲームは実行機能、つまりワーキングメモリ・抑制制御・認知柔軟性という、勉強でも仕事でも土台になる3つの能力を同時に鍛えてくれます。マンカラなどの戦略ゲームでは前頭葉が活性化し、社会性やコミュニケーション能力が向上したとする報告もあります(出典:京大ボードゲーム研究会)。

しかも対面で遊ぶため、ルールを説明する・交渉する・負けて悔しい気持ちを抑える、といった社会的スキルも自然に育まれます(出典:ちいくたいむ)。

家族でカードゲームをした日の夜は、なんとなく会話が増える——そんな副次効果も含めて、低コストで続けやすい脳トレです。

4. 楽器演奏(複数の脳部位を同時に活性化)

少しお金と時間はかかりますが、楽器演奏は脳科学的にとても強力な脳トレです。

バーモント大学が6〜18歳の232人の脳をMRIで調べた研究では、楽器を演奏する子はワーキングメモリ・注意力・計画力に関わる脳の皮質が厚くなることがわかっています。

モントリオール大学神経学病院は7歳までに音楽訓練を始めることを推奨していますが、何歳から始めても遅すぎるということはありません。

東京大学の酒井邦嘉教授は、楽器演奏の習得によって右脳の運動前野外側部や感覚運動野が有効に活用されるようになることを、初めて明らかにしました(出典:東京大学プレスリリース)。

ピアノでなくてもかまいません。ウクレレやリコーダーでも、楽譜を読み、指を動かし、音を聴いて修正する——この同時処理の連続が脳を育てます。

5. 計算・算数パズル(数感覚を育てる)

読み・書き・そろばんの3つ目は、今も色あせていません。

東北大学の川島隆太教授の研究では、単純な足し算・引き算が前頭葉と海馬を活性化することが示されています(出典:Science Portal)。難しすぎる問題ではなく、楽しくスラスラ解ける難易度を選ぶのがコツです。

そろばんも見直されています。珠を見て、頭の中で映像化し、指で動かし、答えを覚える——これを同時に行うため、計算・記憶・視覚化を一度に鍛える複合的な脳トレとして教育分野で注目されています。

毎日5分の計算プリント、週1回のそろばん教室。地味ですが、効果はちゃんと積み上がっていきます。

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中高生向けの脳トレ3選

中高生になると、勉強や部活で自由時間がぐっと減ります。小学生のような遊びの中の脳トレは時間的に難しい場面も増えるでしょう。

そして見落とされがちなのが、前頭前野——計画・自己制御・判断を担う脳の司令塔——が10代後半から20代にかけて成熟していくという事実です。この時期の使い方が、将来の頭の使い方の癖を決めます。だからこそ、自分で取り組める脳トレを習慣にしておきたい年代です。

1. 語学学習(バイリンガル脳の研究)

英語をはじめとした語学学習は、ただの受験勉強ではありません。

複数の研究で、語学習得が実行機能・記憶・社会的認知を支える神経ネットワークを活性化させることが示されています。さらにバイリンガルの人は、年齢を重ねても認知機能の衰えが遅い傾向があると報告されています(出典:MDPI Biomimetics, 2025)。

英単語を覚える、英文を読む、会話するという行為は、母語とは違う脳の回路を新しく作る作業。テスト対策として捉えるより、脳の使い方を増やす投資と考えると、続けるモチベーションも変わってきます。

2. 日記・読書感想文(アウトプット習慣)

中高生にぜひ習慣にしてほしいのが、書くことです。

人の脳には、後で使う情報だと認識した内容をより深く処理する性質があります。アウトプットを前提にインプットすると、脳がこれは残しておくべき情報だと判断して、記憶に残りやすくなるのです。日記や読書感想文は、その最も手軽な実践です。

2002年にアメリカの認知神経科学センターが発表した研究でも、自分ごと化——情報と自分との関連性——によって記憶が前頭前野に残りやすくなることが示されています。学んだことを自分の言葉で書き出すと、それが自然に起きます。

ノート1ページの日記、月1冊の感想文。SNSの短い投稿でも、続ければ思考を言葉にする力が育っていきます。

3. 目標設定・スケジュール管理(前頭前野の訓練)

意外に思われるかもしれませんが、手帳に予定を書くこと自体が立派な脳トレになります。

前頭前野は10代後半から20代にかけて成熟しますが、これはほうっておけば育つわけではありません。意図的に計画・自己制御・判断という機能を使うことで発達が促されると考えられており、特に手帳・手書きのプランニングは効果が高いとされます(出典:日経BOOKPLUS)。

今週のテスト勉強をどう配分するか、部活と勉強の両立をどう設計するか——自分で考えて紙に書く。この一手間が、社会に出てからも使える段取り力の土台になります。

スマホのカレンダーアプリも便利ですが、中高生のうちは紙の手帳を1冊持たせてみる価値があります。

親が知っておきたい子ども脳トレのNG

最後に、子どもの脳トレを「やらせる側」である親が押さえておきたい注意点を2つだけ。ここを間違えると、せっかくの取り組みが逆効果になりかねません。

楽しいかどうかが継続の最大の条件——強制はNG

やりなさいと言われてやる脳トレは、効果が落ちるどころか、ときに脳を傷つけます。

慢性的なストレス下、つまりコルチゾール(ストレスホルモン)が高い状態が続くと、記憶を司る海馬の神経細胞が傷つくことがわかっています。無理やりやらせた脳トレは、記憶力を下げる方向に働いてしまうのです。

繰り返しになりますが、脳科学者・篠原菊紀先生の言葉が本質をついています。「脳トレは楽しいからこそ効く。好奇心が一番の鍵」(出典:STUDY HACKER)。

もうやめたいと子どもが言ったら、無理に続けさせない。今日10分やったら今日はOKとする。親が成果より楽しさのキープを優先する姿勢を持つことが、長期的には一番伸びる近道です。

スマホ・ゲームとの付き合い方

スマホとの距離感も、現代の親が必ず突き当たる悩みでしょう。

脳科学者の毛内拡氏は、ショート動画やSNSのスクロールについて「受け身の脳使用で、脳疲労の原因になる」と指摘しています。流れてくる情報をただ眺めるだけの時間が長いと、脳は処理に追われて疲れていきます。

ここで大切なのは、スマホそのものを敵視することではなく、主体的に使うか・受け身で消費するかで区別することです。

同じスマホでも、この2つは脳にとってまったく別物。使う時間より使い方を一緒に話し合うほうが、はるかに健全です。

能動的に速く読む練習も脳の使い方を変える脳トレ

脳トレというと専用アプリやドリルを思い浮かべがちですが、速く正確に読む練習も、脳の処理の仕方そのものを動かすトレーニングになります。文章を速く処理しようとすると、集中力やワーキングメモリを自然に使うことになるためです。受け身のスマホ視聴とは真逆の、能動的な脳の使い方を育てる時間と言えます。

子ども脳トレについてよくある質問

子ども脳トレについて、親からよく寄せられる疑問にまとめてお答えします。

脳トレは何歳から始めればいいですか?

特に「何歳から」という決まりはありません。脳の約90%は6歳までに形成されると言われており、幼児期からの読み聞かせや外遊びはそれ自体が脳トレになります。小学生・中高生も脳の可塑性が高い時期なので、思い立った日が始め時です。年齢より、子どもが楽しいと感じられる内容を選ぶことを優先してください。

毎日どれくらいやらせればいいですか?

時間より、楽しく続けられているかを基準にしてください。目安としては小学生で1日10〜20分、中高生で勉強や部活の合間に15〜30分あれば十分です。長時間やらせて嫌いになるより、短くても毎日触れる方が脳には効きます。物足りないと子どもが感じるくらいで切り上げるのが、続けるコツです。

脳トレアプリは効果がありますか?

そのアプリが上手くなる効果は確実ですが、日常生活への波及効果(転移)は限定的というのが現在の研究の見方です。海外の脳トレアプリ大手が誇大広告で罰金処分を受けた事例もあります。アプリを使うなら、楽しみのひとつ・習慣化のきっかけと捉え、外遊びや読書・対面のゲームと組み合わせるのが現実的です。

脳トレで学校の成績は上がりますか?

テストの点数が必ず上がると保証できる脳トレはありません。ただし集中力・ワーキングメモリ・読解力など、勉強の土台となる認知機能は確実に育ちます。短期的な成績アップを狙うより、3年後・5年後に効いてくる投資として捉えるのが正解です。焦らず、子どものペースで続けてください。

中学受験の役に立ちますか?

直結はしませんが、土台作りには役立ちます。特に外遊び・ボードゲーム・楽器・読書は、空間認識・実行機能・語彙力など、受験で問われる力に裾野でつながっています。受験直前期は勉強優先で構いませんが、低学年のうちは机に向かわせる時間を増やすより、これらの脳トレを習慣化するほうが結果的に伸びやすいケースも多いです。

親はどう関わればいいですか?

やらせるより、一緒に楽しむ関わり方がベストです。読み聞かせやボードゲームは親子の対話そのものが脳を育てる時間。結果(点数・記録)を評価するより、これ面白いね・次はどうする?と過程に興味を示すことで、子どもは安心して取り組めます。親が楽しんでいる姿が、子どもにとって何よりの動機づけになります。

まとめ

子ども向け脳トレで一番大事なのは、特別な教材を揃えることではなく、家庭の毎日に楽しく脳を使う時間を増やすことです。本記事のポイントを振り返ります。

  • 子どもの脳は可塑性が高く、今この時期の経験が神経回路にそのまま反映される
  • 小学生は外遊び・読書・ボードゲーム・楽器・計算の5つが、エビデンス的にも家庭で取り入れやすい
  • 中高生は語学・日記・手帳でのスケジュール管理が、前頭前野の成熟期に効く
  • 強制は逆効果で、楽しさが継続と効果の最大の条件になる
  • スマホは「主体的に使うか・受け身で消費するか」で区別する

明日からまず1つ、家庭の中で増やしてみてください。1ヶ月後の子どもの表情が、答えを教えてくれるはずです。

私が教えているGSR速読は、速く読む技術というより、脳の処理の仕方そのものを変えるトレーニングです。お子さんの脳の使い方に興味を持ったついでに、大人であるご自身の脳の使い方にも目を向けてみたい——そんな方には参考になるかもしれません。

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