仕事や資格のために専門書を買ったのに数ページ進んだところで手が止まっていませんか?専門書の読み方が分からないまま同じ段落を何度も読み返しているうちに、その日の時間が終わっちゃうことってありますよね。
異動や昇進で新しい分野を覚えなければいけない40代・50代ほど、自分の頭が固くなったのかなとか昔はもっと読めたのになとか自分を責めてしまいがちなんです。

でも専門書が頭に入らないのはあなたの読む力が落ちたからではありません。知らない言葉と本に書かれていない前提知識が足りないだけなんです。
だから1回で全部分かろうとせず骨組みをつかんでから何周もする読み方に変えると、同じ本でも通して理解できるようになります。
この記事では専門書が頭に入らない理由を研究から確かめたうえで、1冊を通して理解する4つの手順と言葉の壁が厚い本で入門書を使う方法を紹介します。
何周も読むやり方は1周に1か月かかると2周目の前に忘れてしまうので、1周を短くする読む速さが要ります。私が教えている速読法GSRで知っている言葉を速く処理して周回を早める読み方は、下の無料の入門動画講座で先に確かめられます。
この記事の執筆・監修
浦地純也(しゃっく)
速読メソッド「GSR」講師 / 株式会社ManaBeラボ 代表取締役

- 株式会社ManaBeラボ代表取締役
- 中学校、高等学校理科教員免許
- 国際ジェネラティブチェンジ協会ジェネラティブトランス修了資格
- カリフォルニア大学発祥の心理学指導者資格
2013年、高知大学で理科教員免許を取得し、公立の高等学校で2年間理科教師として働く。その後速読に感銘を受け愛知県で速読教室と学習塾を開校。
その後、スタンフォード大学心理学博士のギリガン先生と出会い、「瞑想状態×速読」を用いた新しい速読メソッド【GSR(Generative Speed Reading)】をワールドクラスパートナーズ株式会社と開発。
2019年には、「人生を変える速読法 GSR」を出版。2025年までの10年間で44,000人以上への速読指導の実績。現在もオンラインで全国の人々へ向けて活動中。
専門書が頭に入らないのは読む力より前提知識の問題

専門書が頭に入らないいちばんの理由は読む力ではなく、その分野の言葉と前提知識が頭に入っていないことです。同じ人でも詳しい分野の本ならスラスラ読めるのはそのためなんです。
専門書に限らず本を読んでも頭に入らない原因の全体は、本を読んでも頭に入らない原因と3つの読み方で解説しています。
専門書には知らない言葉と書かれていない前提が詰まっている
専門書はその分野の言葉と基本の考え方をすでに知っている人に向けて書かれています。
ビジネス書なら知らない言葉が出てきても前後の文から意味を想像できますよね。ところが専門書では1ページの中に知らない言葉がいくつも出てきて、しかも説明なしに使われます。
- 専門用語が説明なしで出てくる
- その分野では当たり前の前提が省かれている
- 前の章で出た言葉を知っている前提で次の章が進む
知らない言葉が出るたびに立ち止まると頭の中はその言葉の意味を考えることでいっぱいになります。そうなると章全体で何を言いたいのかをつかむ余裕が残らないんです。
前提知識がある人は読む力に関係なく内容を覚えている
読んだ内容がどれだけ残るかは読む力より、その分野をどれだけ知っているかで大きく変わります。
アメリカの研究者が中学生64人を読む力と野球の知識の量で4つのグループに分けて実験しています(Recht & Leslie, 1988, Journal of Educational Psychology)。
野球の試合の様子を書いた文章を読んでもらい、あとで内容を再現してもらったところ、野球に詳しい生徒は読む力の高い・低いに関係なくよく覚えていました。

読む力が高くても野球に詳しくない生徒は、読む力が低くて野球に詳しくない生徒と変わらなかったんです。読む力の差より知っているかどうかの差のほうが大きかったということです。
しゃっく専門書が読めないと自分は頭が悪いのかなって思っちゃいますよね。でも足りないのは頭の良さではなくその分野の言葉の量なんです。
何の話かを先に知ると同じ文章でも理解できる
もう一つ大事なのは、読み始める前にこれから何の話が書かれているかを知っておくことです。
アメリカの心理学者たちは洗濯の手順をぼかして書いた文章を読ませる実験をしました(Bransford & Johnson, 1972, Journal of Verbal Learning and Verbal Behavior80006-9))。
読む前に洗濯の話だと知らされた人は内容をよく理解でき、あとで思い出せる量も多くなりました。ところが読み終えてから知らされた人は何も知らされなかった人とあまり変わらなかったんです。
専門書でも同じことが起きます。この章は何の話で全体の中のどこに当たるのかを知らずに読み始めると、一文ずつは読めても内容がつながりません。読む前に全体の骨組みを見ておくだけで同じ文章でも頭への入り方が変わるんです。
専門書の読み方は1回で分かろうとせず何周もする


専門書は1回で全部を理解しようとせず、何周かに分けて読むのがいちばん確実です。1周ごとに読む目的を変えると前提知識が足りない状態からでも少しずつ理解が積み上がります。
1回で全部分かろうとすると途中で止まる
1回目から全部分かろうとすると知らない言葉のたびに止まり、最後までたどり着く前に読むのをやめてしまいます。
専門書の読み方を調べると、分からない所を読み飛ばすなという意見と全部読まなくていいという意見の両方があります。どちらも間違いではなく何周目の話かが違うんです。
1周目は先へ進むことを優先し2周目以降で分からなかった所を埋める。こう周回ごとに役割を分ければどちらの意見も両立できます。
真面目な人ほど1ページ目から順番に全部を理解してから次へ進もうとしますよね。でも前提知識がないまま細部を読んでも、その細部がどこにつながるのかが見えないので頭に残りにくいんです。
周回ごとに読む目的を変える
何周も読むときは1周ごとに読む目的を決めておきます。目的が決まっていると同じ本でも見る場所が変わり、何周しても飽きずに新しく分かることが出てきます。
2周目の時点で1周目に分からなかった所の多くは、あとの章を読んだおかげで分かるようになっています。全体を一度通っているので細部がどこにつながるのかが見えるからです。



1周目で分からなくても大丈夫です。分からない所が分かったことが1周目の成果なんですよ。
専門書を1冊通して理解する4つの手順
専門書を1冊通して理解するには目的を決める・骨組みをつかむ・印を付けて最後まで進む・印を埋めて説明する、の4つの手順で読みます。


読む前に何に使うかを1文で書く
1つ目の手順は読み始める前にこの本を何に使うのかを1文で書いておくことです。
たとえば来月から担当する業務の流れを説明できるようになる・試験の第3章の範囲を解けるようになる、のように使う場面まで書きます。
目的が決まると全部の章を同じ重さで読まなくて済みます。目的に関係が深い章は丁寧に、遠い章は軽く読むという強弱をつけられるんです。
はじめにと目次とまとめで骨組みをつかむ
2つ目の手順は本文に入る前に、はじめにと目次と各章のまとめを読んで本全体の骨組みをつかむことです。
はじめにには、その本を読むのに必要な前提知識やどんな順番で説明するかが書かれていることが多いんです。目次を見ればどの章が土台でどの章が応用かが分かります。
ここにかける時間は10分くらいで十分です。この10分が先ほどの研究でいう読む前に何の話かを知る準備になります。
1周目は分からない所に印を付けて最後まで進む
3つ目の手順は、1周目は分からない所に小さな印を付けて止まらずに最後まで読み進めることです。
分からない言葉が出てきたら、その場で辞書を引くより鉛筆で余白に小さく印を付けて先へ進みます。止まって調べるたびにそれまでの流れを忘れてしまうからです。


1周目の理解は3割くらいで構いません。章ごとにこの章は何の話だったかを一言で言えれば、それで次へ進んでください。
2周目以降は印の所を埋めて閉じて説明する
4つ目の手順は2周目で印の所を中心に読み直し、3周目で章ごとに本を閉じて要点を説明することです。
2周目は印を付けた所と図表を中心に読みます。あとの章を読んだおかげで分かるようになった印は消し、それでも分からない言葉だけを調べてください。
3周目は章を読み終えるたびに本を閉じてその章の要点を3つ、自分の言葉で書き出すか声に出して説明します。
記憶は読んだ回数より思い出した回数で強くなります。本を開いたまま読み返していると分かった気になりますが、閉じて説明できなかった所こそまだ頭に入っていない所なんです。
勉強全般で頭に入らないときの考え方はこちらの記事でもまとめています。


言葉が分からず進まない専門書は入門書を先に読む
4つの手順で読んでも1周目が進まないほど言葉が分からないときは、専門書をいったん置いて同じ分野の入門書を先に読んでください。遠回りに見えますがそのほうが結果的に早く専門書を読み終えられます。
1ページに知らない言葉が続くなら入門書に戻る
1ページの中に知らない言葉がいくつも続き印だらけで骨組みもつかめないなら、その本はまだ今のあなたには早い本です。
これは能力の問題ではありません。医学部に入ったばかりの学生が医学書を速く読めなくても、ベテランの医師はすらすら読めます。医師の頭の中にはすでに膨大な医療の言葉が入っているからです。
同じ本でも知っている言葉の量で読みやすさがまったく変わります。先ほどの野球の研究と同じで、足りないのは読む力ではなくその分野のデータなんです。
入門書を3冊読んで用語の辞書を作る
言葉が足りないときは、その分野の入門書や図解の本・マンガで解説した本を3冊ほど読んで頭の中に用語の辞書を作ります。


入門書は専門書と同じ言葉をやさしく説明してくれます。3冊読むと同じ言葉が別の説明で何度も出てくるので、言葉の意味が自然に固まっていきます。
お経を初めて読むと一つひとつの語句の意味が分からず時間がかかりますよね。でも何度も読んでいるうちにさっと眺めるだけで読めるようになります。専門書も言葉に慣れてから読むと驚くほど進むようになるんです。



急がば回れです。入門書を3冊読んでから戻るとあれほど止まっていた専門書がちゃんと読めるようになりますよ。
自分用の用語メモを1枚にまとめる
入門書と専門書を読みながらその分野でよく出てくる言葉を自分の言葉で1枚の紙にまとめておくと、専門書に戻ったときに止まらなくなります。
書くのは言葉と、それを一言で言い換えた説明だけで十分です。教科書の定義を書き写すより自分なりの言い方で書いたほうがあとで見たときにすぐ思い出せます。


専門書を読んでいて言葉に詰まったらまずこのメモを見る。メモにない言葉だけを調べて書き足す。これを続けるとメモが育つほど専門書を読む速さも上がっていきます。
技術書・マニュアル・資格テキストの読み方
技術書・社内マニュアル・資格テキストも専門書の一種ですが、使い道が違うので力を入れる所を変えて読みます。
| 種類 | 何に使うか | 力を入れる所 |
|---|---|---|
| 技術書 | 手を動かして作る | 動かす章を先に決めて、読みながら試す |
| マニュアル | 必要なときに調べる | どこに何が書いてあるかを覚える |
| 資格テキスト | 試験で解く | 過去問に出た所から読む |
技術書は手を動かす章を先に決める
技術書は読んで理解するより手を動かして試すことで頭に入ります。
目次を見て今の仕事ですぐ使う章を先に決め、その章を読みながら実際に試してみてください。全部の章を順番に読む必要はありません。ほかの章は使う場面が来たときに読めば十分です。
技術書が積み上がってしまうときの読み方はこちらで詳しく紹介しています。


マニュアルは全部覚えずどこに何があるかを覚える
社内のマニュアルや規程は中身を全部覚えるより、どこに何が書いてあるかを覚えるほうが仕事で役に立ちます。
1周目は目次と見出しだけを見て全体の地図を頭に入れます。そのうえで自分の業務に関わる所だけを丁寧に読みます。あとは困ったときにすぐ開ける状態にしておけばいいんです。
興味が持てないマニュアルが頭に入らないときは読む前に用事を1つ決める方法も効きます。


資格テキストは過去問に出た所から読む
資格のテキストは1ページ目から読むより、過去問に出た所から読むほうが早く合格に近づきます。
先に過去問を1回分見ておくとテキストのどこが試験で問われるかが分かります。そこが資格テキストにとっての骨組みになるんです。進め方は社会人の資格勉強のやり方で詳しく説明しています。
何周も回す時間は読む速さで生まれる
専門書を何周も読む読み方の弱点は、1周に時間がかかると2周目までたどり着けないことです。周回を回せるかどうかは1周を読み終えるまでの時間で決まります。
なぜ専門書の読み方の話から読む速さの話になるのか、もう少しお話しさせてください。
1周に1か月かかると2周目の前に忘れる
分厚い専門書を毎晩少しずつ読んで1周に1か月かかると、最後の章を読む頃には最初の章をほとんど覚えていません。
人の記憶は読んだ直後から少しずつ薄れていきます。1周にかかる時間が長いほど、2周目を始めるときには1周目でつかんだ骨組みも消えかけているんです。
そうなると2周目がまた1周目のやり直しになります。何周もする読み方が大事だと分かっていても、時間が足りずに1周で終わってしまう人が多いのはそのためです。
紹介した4つの手順は今日から使えます。でも1周を読み終えるまでの時間そのものが縮まれば、同じ1か月で3周も4周もできるようになり、どの専門書にも効くようになります。


速読法GSRは知っている言葉を速く処理する読み方を身につける
私が教えている速読法GSRは頭の中で一字ずつ声にする読み方を減らし、要点から先につかむ読み方を身につける脳の使い方のトレーニングです。
GSRはすでに知っている言葉や考え方を速く処理するのが得意です。逆にまったく知らない概念をゼロから理解するには時間がかかります。だから専門書では入門書で用語の辞書を作ってから読む方法と組み合わせます。
専門書を読むときはビジネス書のように3割の理解で読み切るのではなく、8割以上の理解を目指すことが多くなります。それでも頭の中の音読が減ると丁寧に読むときの速さそのものが上がります。
1周が速くなれば何周もする読み方を本当に回せるようになります。専門書を通して理解する読み方と1周を速くする読み方は、組み合わせてこそ効くんです。



速く読んだら専門書なんて分からないでしょ、と思いますよね。分かる所を速く通り過ぎるから分からない所に時間を使えるんです。
専門書が読めるようになった受講生
GSRの受講生には仕事の専門書を読む量が増えて、仕事の質が変わった方もいます。


GSR式速読を学び、494文字/分→146,300文字/分まで読めるようになりました。100倍以上のスピードアップをして、昔は年間1冊くらいしか本を読まなかったのですが、今では年間600冊以上の本を読んでいます。
その結果、患者さんの訴えていることの表面的な言葉だけでなく、裏の意味まで読み取れるようになって治療の質が上がりましたし、患者さんが増えてビジネス面での成果にも繋がりました。そして、本の知識を元に、学会で発表することもできました。


速読とは、「結局アウトプットできないもの」と思っていました。受講後は、短時間で読み、本の要点を理解をしながらアウトプットできるようになりました。以前は1冊1〜2ヶ月かけて読んでも、全然記憶していなかったので大きな変化です。その結果、すきま時間を活用して副業の勉強と実践ができるようになり、本業と同じくらい稼ぐ事ができるようになりました。今では完全に会社を辞めて、楽しく働いています。
お二人に共通するのは速く読めるようになっただけでなく読んだ内容を仕事で使える形で取り出せるようになったことです。
専門書の前で手が止まっているなら自分の頭を責める前にまず読み方を変えてみてください。
無料の入門動画講座で頭の中の音読を減らして要点から読む読み方を体験できます。動画を最後まで見ると通常5,000円のGSRオンライン体験会にも無料で参加できます。
専門書の読み方についてよくある質問
- 専門書が頭に入らないのはなぜですか?
-
多くはその分野の言葉と前提知識が足りないからです。中学生を対象にした研究では、野球に詳しい生徒は読む力の高い低いに関係なく野球の文章をよく覚えていました。読む力より知っている量の差のほうが大きく効きます。
- 専門書は最初から順番に読むべきですか?
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本文を最初から読む前に、はじめにと目次と各章のまとめを読んで骨組みをつかんでください。そのうえで1周目は順番に読み進めますが、分からない所で止まらず印を付けて最後まで進むのがコツです。
- 専門書は何回読めばいいですか?
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目安は3周です。1周目で骨組みをつかみ、2周目で印を付けた所を埋め、3周目で章ごとに本を閉じて要点を説明します。周回ごとに目的を変えると同じ本でも毎回新しく分かることが出てきます。
- 分からない言葉はその場で調べたほうがいいですか?
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1周目は調べずに印を付けて先へ進んでください。あとの章を読むと分かる言葉も多いからです。2周目でも分からなかった言葉だけを調べ、自分用の用語メモに書き足していきます。
- 難しすぎて読めない専門書はどうすればいいですか?
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1ページに知らない言葉が続くなら、同じ分野の入門書や図解の本を3冊ほど先に読んでください。頭の中に用語の辞書ができると止まっていた専門書が読み進められるようになります。
- 速読で専門書は読めますか?
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読めますが前提知識の量によって速さは変わります。知っている言葉が多い分野ほど速く読めます。専門書では8割以上の理解を目指すことが多くなりますが、頭の中の音読を減らすと丁寧に読むときの速さそのものが上がります。
まとめ
専門書が頭に入らないのは読む力ではなく言葉と前提知識が足りないからです。
- 専門書はその分野の言葉と前提を知っている人に向けて書かれている
- 何の話かを先に知り、骨組みをつかんでから読むと理解しやすい
- 1周目は印を付けて最後まで進み、2周目で埋め、3周目で閉じて説明する
- 言葉の壁が厚いときは入門書を3冊読んで用語の辞書を作る
どの読み方も何周も回せてこそ効きます。そして周回を回せるかどうかは1周を読み終えるまでの時間で決まります。
今日はまず手元の専門書のはじめにと目次を10分だけ読んで、この本を何に使うかを1文で書いてみてください。
そのうえで1周を速く読み切って何周も回せる読み方を身につけたいと思ったら、迷わず無料の入門動画講座を受け取ってください。読み方が変われば40代・50代からでも新しい分野の専門書は読めるようになります。













