医師が論文を読む時間がないのは、診療と当直に追われる多くの先生に共通する悩みです。時間を足すだけでなく、1本にかける時間を縮めると勉強時間は生まれます。
まず読もうと保存したまま開いていない論文を数えてみてください。月に3本たまるなら、3本 × 12か月 = 1年で36本の積み残しです。

学会や同僚の話に出た新しい知見を知らなかったとき、置いていかれる焦りを感じませんか。読みたい論文は増えるのに、診療の後は開く気力が残っていません。
結論から言うと医師の勉強時間は、予定に先に入れることと読む量を減らすことで作れます。そのうえで1本を読む速さが上がれば、同じ時間で読める論文は増えます。
この記事では医師が論文を読めない原因と、時間を作る5つの方法、読む量の減らし方を紹介します。論文の読み方の細かな手順は別の記事に送ります。
専門的な論文に速読なんて使えるのかと疑っている方こそ先に確かめてください。1本にかける時間を縮める読み方の土台は、下のボタンから受け取れる無料の入門動画講座で試せます。
この記事の執筆・監修
浦地純也(しゃっく)
速読メソッド「GSR」講師 / 株式会社ManaBeラボ 代表取締役

- 株式会社ManaBeラボ代表取締役
- 中学校、高等学校理科教員免許
- 国際ジェネラティブチェンジ協会ジェネラティブトランス修了資格
- カリフォルニア大学発祥の心理学指導者資格
2013年、高知大学で理科教員免許を取得し、公立の高等学校で2年間理科教師として働く。その後速読に感銘を受け愛知県で速読教室と学習塾を開校。
その後、スタンフォード大学心理学博士のギリガン先生と出会い、「瞑想状態×速読」を用いた新しい速読メソッド【GSR(Generative Speed Reading)】をワールドクラスパートナーズ株式会社と開発。
2019年には、「人生を変える速読法 GSR」を出版。2025年までの10年間で44,000人以上への速読指導の実績。現在もオンラインで全国の人々へ向けて活動中。
医師が論文を読む時間がないのは珍しくない
論文を日常的に読めている医師は4人に1人ほどです。医師向けの調査の数字で見てみます。

日常的に論文を読む医師は25%
医師1,412人の調査で日常的に論文を読んでいる医師は25%でした。
ときどき読んでいる医師は42%で、読んでいる医師が月に読む本数の中央値は3本です。
一方で論文を読むことが仕事やキャリアに役立つと考える医師は93%いました(メディウェル「論文と医師のキャリアの関係性に関するアンケート」2022年)。
月に読む論文はアブストラクトだけで1〜5本が最多
月に読む論文は要旨だけで1〜5本という医師がいちばん多い結果です。
医師約1,000人の調査ではアブストラクトのみで月1〜5本が49.6%、本文全体で月1〜5本が28.6%でした。
読む目的は専門領域の情報収集が79.2%で最多です(ケアネット「医師1,000人アンケート」2025年8月)。
働き方改革で研究の時間はさらに取りにくい
2024年4月からの働き方改革で勤務の外の勉強時間はさらに限られます。
大阪大学の研究者による報告は、勤務時間の線引きのあいまいさと研究時間に報酬が無いことを課題に挙げています。そのうえで柔軟な勤務や固定の研究期間などを提案しています(大阪大学 公衆衛生学教室、JMA Journal掲載論文)。
しゃっく読めていないのは先生だけではありません。時間が限られているなら、時間の使い方と読み方の両方から変えていきましょう。
勤務の外で使える時間が限られるほど、無料の入門動画講座で1本にかける時間を縮める読み方を先に見ておくと楽になります。
医師が論文を読めない3つの原因
医師が論文を読めない原因は時間だけではありません。よくあるのは次の3つです。


診療と当直でまとまった時間が取れない
1つ目はまとまった時間が無いことです。
外来と病棟と当直の合間に、1時間続けて座れる日は多くありません。1本を読み切るのに1時間いると思っていると、その1時間が取れない日は1本も開かずに終わります。
1本を頭から全部読もうとする
2つ目は頭から全部読む読み方です。
序論から方法・結果・考察まで順に読むと1本に時間がかかります。
医療職の受講生の申込理由にも、仕事に必要な専門書や情報を効率よく入れたいという声が目立ちます。読むのが遅いのは能力の問題ではなく、全部を同じ深さで読むやり方の問題です。
知らない分野の用語で止まる
3つ目は知らない用語で止まることです。
専門外の論文や新しい治療の論文では知らない言葉が続くと前に進めません。
専門書が速く読めないのは能力不足ではなくデータ不足で、頭の中に用語の辞書がまだ無いだけです。ベテランの医師が自分の分野の医学書を速く読めるのは、その辞書がすでにあるからです。
自分の分野の外の論文や専門書で止まる方は専門書の読み方|難しくて頭に入らない本を1冊通して理解する4つの手順も合わせて読んでみてください。
頭から全部読むやり方を変えたい方は、無料の入門動画講座で全体から要点をつかむ読み方を先に見ておくと次の方法が試しやすくなります。
医師が論文を読む時間を作る5つの方法
論文を読む時間は予定に先に入れるほど作りやすくなります。方法は次の5つです。


週に2回15分を予定に先に入れる
1つ目は15分を先に予定に入れることです。
外来の前や昼休みの後など、毎週ずれにくい時間を2つ選んで予定表に書きます。空いたら読むでは診療に押し出されるので、会議と同じ扱いにします。
移動中は読み上げで論文を聴く
2つ目は移動中に聴くことです。


スマホの読み上げ機能を使えば、通勤や病院の間の移動で論文や総説を聴けます。英語に自信が無いときは自動翻訳で日本語にしてから聴くと、移動の時間が勉強の時間に変わります。
アラートで読む論文を先に絞る
3つ目はアラートで絞ることです。
専門の学術誌の新しい号やPubMedの検索結果をメールで受け取り、題名だけ見て開くかどうかを決めます。興味の無い号は中身を開かないと決めると、読む本数が無理なく減ります。
抄読会や勉強会の予定を締め切りにする
4つ目は抄読会を締め切りにすることです。
自分の発表の日や勉強会の日を締め切りにすると、読む論文が決まって先延ばしが減ります。ほかの先生の発表を聞けば、自分で読まずに要点を知れる論文も増えます。
1回の15分で1本の要点だけ取る
5つ目は1回で1本の要点だけ取ることです。
15分で全文を読もうとすると終わりません。題名と要旨と図表から、誰に何をしてどうなったかだけを書き出せば、1回の15分で1本が終わります。
| 使える時間 | 読むもの |
|---|---|
| 朝の外来前 | アラートの題名を見て開く論文を決める |
| 移動中 | 総説や論説を読み上げで聴く |
| 昼休みの後 | 決めた1本の要旨と図表 |
| 抄読会の前の週 | 発表する1本を方法から読む |



今週の予定表に15分の枠を2つ書き込んでみてください。書いた時間が論文を読む時間になります。
忙しい社会人が読書の時間を作るコツは忙しい社会人が読書を続ける方法|時間がなくても1冊を読み切る5つのコツでも紹介しています。
15分で1本の要点を取るには読み方の練習が要ります。無料の入門動画講座で要点から先につかむ読み方を見ておくと、15分の枠を使いやすくなります。
医師の勉強時間は読む量を減らして生み出す
医師の勉強時間は読む量を減らすことでも生まれます。全部の論文を同じ深さで読まないことです。


全部の論文を精読しない
精読するのは診療や研究で使う論文だけです。
方法の細かい所まで読むのは、自分の診療を変えるかもしれない論文や、抄読会で発表する論文に限ります。ほかの論文は要点が分かれば十分です。
要旨と図表で読むか捨てるか決める
読むか捨てるかは要旨と図表で決めます。
要旨で対象と結果を確かめ、図表で数字の大きさを見ます。ここで自分の患者さんに当てはまらないと分かれば、その論文は閉じてかまいません。
要旨と図表から読む順番は論文の読み方|社会人が10分で要点をつかむ順番と信頼できる研究の見分け方で詳しく紹介しています。
総説と入門書で用語の辞書を作る
新しい分野は総説から読むのが近道です。
専門外の分野でいきなり原著論文を読むと、用語で何度も止まります。先に総説や入門書を何本か読んで用語の辞書を作ると、そのあとの原著論文がずっと速く読めます。



急がば回れです。辞書ができると同じ論文でも止まる回数が減ります。
論文を読む速さを上げると勉強時間が生まれる
時間を作り量を減らしたら、残りは1本を読む速さです。


速読法GSRは要点から先につかむ読み方
私が教えている速読法GSRは、全体から要点を先につかむ読み方です。
1回目に全体をざっと見て要点をつかみ、目的を変えてもう1回読みます。頭から一字一句読まないので、1本の論文や1冊の専門書にかかる時間が縮みます。
読み方は一度身につければ論文にも専門書にも使える
最初に数えた積み残しは、読み方が同じなら毎年36本ずつ増えていきます。
逆に1本にかける時間を縮める読み方は、一度身につければ論文にもガイドラインにも専門書にもこの先ずっと使えます。
速く読む方法の全体は本を早く読む方法とコツ|速読のやり方7つと毎日10分の練習・1分診断で紹介しています。
医療の仕事をしながら読む量を増やした受講生
受講生には医療・福祉の仕事の方も多くいます。
申込時のアンケートでは職業の記入123件のうち医療・福祉が15件で、そのうち医師が5件でした。心療内科の医師の受講生からは、年間300冊を読めるようになったという声も届いています。
メディアアーティストの落合陽一氏も、大量の文献を読めるのは速読を習得したからと自著で語っています。




GSR式速読を学び、494文字/分→146,300文字/分まで読めるようになりました。100倍以上のスピードアップをして、昔は年間1冊くらいしか本を読まなかったのですが、今では年間600冊以上の本を読んでいます。
その結果、患者さんの訴えていることの表面的な言葉だけでなく、裏の意味まで読み取れるようになって治療の質が上がりましたし、患者さんが増えてビジネス面での成果にも繋がりました。そして、本の知識を元に、学会で発表することもできました。
論文を読む時間が取れない先生ほど、1本にかける時間を縮める読み方を先に知っておくと勉強の時間が軽くなります。
論文を読む時間を作るには、1本にかける時間を縮める読み方を知るのが近道です。入門動画講座では、読む目的を決めて全体から要点をつかむ読み方を順番に見られます。
- 費用は0円で登録はメールアドレスだけ
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医師が論文を読む時間についてよくある質問
- 医師は月に何本くらい論文を読んでいますか?
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医師1,412人の調査では、論文を読んでいる医師の中央値は月3本でした。別の約1,000人の調査では、アブストラクトのみで月1〜5本という回答が最も多い結果です。
- 論文を読む時間はどうやって作ればいいですか?
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週に2回15分の枠を予定表に先に入れ、移動中は読み上げで聴くのがおすすめです。アラートで読む論文を先に絞ると、1回の15分で1本の要点を取れます。
- 論文は全部読まないといけませんか?
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全部を精読する必要はありません。要旨と図表で読むか捨てるかを決め、診療や研究で使う論文だけを精読すると時間が足ります。
- 英語の論文を読む時間がないときはどうすればいいですか?
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要旨と図表だけを先に読み、精読する論文を絞ります。自動翻訳で日本語にしてから読み上げで聴くと、移動の時間も使えます。
- 専門外の論文が読めないのはなぜですか?
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頭の中にその分野の用語の辞書がまだ無いからです。先に総説や入門書を何本か読んでおくと、原著論文で止まる回数が減ります。
- 専門的な論文にも速読は使えますか?
-
疑うのは自然なことです。速読法GSRは知っている言葉を速く処理する読み方なので、自分の分野の論文ほど使いやすくなります。大きなお金をかける前に、無料の入門動画講座で一度確かめてみてください。
まとめ
医師が論文を読む時間がないときは、時間と読み方の両方から変えます。
- 日常的に論文を読む医師は25%で、読めていないのは珍しくない
- 読めない原因は時間の不足と、頭から全部読むやり方と用語の辞書の不足
- 週に2回15分を予定に入れ、移動中は聴き、アラートで絞る
- 精読するのは使う論文だけにし、要旨と図表で読むか捨てるか決める
- 1本を読む速さが上がれば、同じ時間で読める論文が増える
読み方が同じなら、積み残しの論文は毎年増え続けます。
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