読書の効果とメリットとは|社会人が読書を習慣にする5つの方法

読書の効果とメリットとは|社会人が読書を習慣にする5つの方法

読書はした方がいい。それは、なんとなく分かっている。

でも、買った本は数ページで止まり、気づけば今日も開かないまま一日が終わる——。そんな経験は、ありませんか。

それが続くと、「自分は読書に向いていないのかも」と思えてきます。でも、向き不向きの問題ではありません。読書が続かないのは、効果が実感として返ってこないうちに、やめてしまうからです。

この記事では、読書で具体的に何が得られるのかを、研究データとあわせて整理します。そのうえで、忙しい社会人でも無理なく読書を習慣にする方法を紹介します。

ManaBeラボ 浦地純也
  • 株式会社ManaBeラボ代表取締役
  • 中学校、高等学校理科教員免許
  • 国際ジェネラティブチェンジ協会ジェネラティブトランス修了資格
  • カリフォルニア大学発祥の心理学指導者資格

2013年、高知大学で理科教員免許を取得し、公立の高等学校で2年間理科教師として働く。その後速読に感銘を受け愛知県で速読教室と学習塾を開校。

その後、スタンフォード大学心理学博士のギリガン先生と出会い、「瞑想状態×速読」を用いた新しい速読メソッド【GSR(Generative Speed Reading)】をワールドクラスパートナーズ株式会社と開発。

2019年には、「人生を変える速読法 GSR」を出版。2025年までの10年間で44,000人以上への速読指導の実績。現在もオンラインで全国の人々へ向けて活動中。

目次

読書の効果・メリットとは

読書の効果・メリットとは

読書がいい、とはよく言われます。でも、具体的に何がどう良くなるのか——自信をもって答えられる人は、意外と少ないのではないでしょうか。

その効果は、気のせいではありません。研究でもはっきり追いかけられています。

アメリカのイェール大学が50歳以上の3,635人を約12年追跡した調査では、本を読む人は読まない人より長く生きていました。週に3.5時間以上読む人は、まったく読まない人にくらべて死亡率が23%低かったのです。

読書の効果は、寿命という長い物差しでも確認できるほど確かなもの。ただし、1冊読んだだけで表れるわけではありません。少しずつ積み重ねて、はじめて実感できます。

この記事では、読書で得られる効果を心と脳の面、仕事と人生の面に分けて見ていきます。そのうえで、効果を積み上げるための習慣化の方法をお伝えします。

心と脳に表れる読書の効果

心と脳に表れる読書の効果

まずは、気持ちや脳に表れる効果から見ていきます。読書は、知識を増やすだけのものではありません。心の安定や、ものの感じ方にも関わっています。

ストレスがやわらぐ

仕事でうまくいかなかったことが頭から離れず、布団に入ってからも考え続けてしまう。そんな夜は、ありませんか。

そういうとき、本が助けになります。イギリスのサセックス大学が行った実験では、わずか6分の読書でストレスが約68%減ったという報告があります。音楽を聴くことや散歩よりも、高い数字でした。

なぜ、これほど下がるのでしょうか。読書に集中すると、頭の中をぐるぐるしていた不安や後悔のループから、いったん離れられるからです。物語や知識に意識が向くあいだ、脳は考えごとの自動運転を止めます。

寝る前の数ページが、スマホを見続けるよりも気持ちを整えてくれる。そう感じる人は、少なくありません。

語彙力と感情の解像度が上がる

本には、日常会話では出てこない言葉が多く使われています。毎日本を読む人と読まない人では、触れている言葉の量が200万語ほど違うとも言われます。

語彙が増えて変わるのは、文章の理解だけではありません。自分の感情を言葉にする力も上がります。

なんとなく気分が晴れない日に、「ただモヤモヤする」としか言えなかった経験はありませんか。それが焦りなのか、不安なのか、落胆なのか。区別できないままだと、対処のしようがありません。

語彙が増えると、その感情に名前をつけられるようになります。名前がつけば、向き合い方も見つけやすくなります。

共感力と想像力が育つ

物語を読むとき、脳の中では何が起きているのでしょうか。fMRIという装置で脳を調べた研究では、他人の気持ちや意図を推し量るときに働く領域が、活発になっていました。

さらに、登場人物が泳ぐ場面を読むと、自分が実際に泳ぐときと同じ脳の部位が反応するという報告もあります。

読書は、他人の人生をいったん借りる体験です。職場で意見がぶつかったとき、相手はなぜそう考えるのか——その想像が一歩できるかどうかは、小さいようで大きな差になります。立場の違う相手の見え方を想像する力は、読書で静かに育っていきます。

脳の活性化と認知機能の維持

文字を読むという行為は、脳にとってかなりの作業です。単語を読むだけでも、脳の少なくとも9つの部位が安定して働くことが分かっています。

使われる場所が多いほど、脳は活性化します。先ほどのイェール大学の調査で読書する人が長生きだった背景にも、こうした日常的な脳への刺激があると考えられています。

受け身で眺めるテレビやスマホとくらべて、読書は脳を自分から動かす時間になります。

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仕事と人生に表れる読書の効果

読書の効果は、気持ちや脳の中だけにとどまりません。仕事の質や、生活そのものにも表れてきます。

思考力と判断力が深くなる

本は、著者が結論にたどり着くまでの考えの道すじを、まるごと見せてくれます。読むうちに、その論理の運び方が、自分の中にも残っていきます。

一方で、SNSのタイムラインを思い浮かべてみてください。流れてくるのは、結論だけを言い切った短い言葉です。背景や前提は、たいてい省かれています。

そうした断片にばかり触れていると、強い意見を見るたびに「確かに」と流されやすくなります。考えが、浅いところで止まってしまうのです。

本を読む人は、ある意見に出会ったとき、前提は何か・別の見方はないか、と立ち止まる余地を持てます。この差が、判断の質を分けます。

読書量と年収に見られる傾向

読書量と年収に、関係はあるのでしょうか。実は、はっきりした傾向があります。

ある調査では、年収1,800万円以上の人が月に平均5.4冊、年収600万円台の人が月2.5冊読んでいました。1日30分以上本を読む人の割合は、富裕層で約9割にのぼったという報告もあります。

ただし、これは本を読めば年収が上がるという因果ではありません。学び続ける姿勢のある人に、読書習慣も収入もついてきている、と捉えるのが自然です。

それでも、読書がそうした人たちに共通する習慣であることは、確かです。

知識が結びついてアイデアの土台になる

新しいアイデアは、何もないところからは生まれません。すでに持っている知識と知識が結びついたときに生まれます。

読書は、その材料を増やす行為です。ジャンルの違う本を読むほど、頭の中で結びつく組み合わせの数が増えていきます。

企画が浮かばない、話が広がらない。そう感じるとき、足りないのは発想力ではなく、結びつける材料のほうかもしれません。

読書を習慣にする5つの方法

効果が分かっても、続かなければ積み上がりません。私自身、読書が続かず何度も挫折してきました。変わったのは、意志を強く持とうとするのをやめ、仕組みを工夫してからです。

ここからは、その仕組みを5つ紹介します。どれも、今日から試せます。

ハードルを限界まで下げる

続けるコツは、「小さくしすぎたかな」と感じるくらいまで目標を下げることです。

読書の習慣化に成功したある人は、毎日2ページだけ読む、というルールにしたそうです。2ページなら約3分。どれだけ忙しい日でも、実行できます。

行動は、小さくするほど続きます。1日1ページでも、開いてしまえば、そのまま数ページ読むことは珍しくありません。冊数ではなく、本を開く回数を増やすことを目標にします。

きっかけを生活の中に固定する

「時間ができたら読もう」——その時間は、まずやってきません。読書は、すでにある習慣にくっつけると定着します。

朝のコーヒーを淹れたら1ページ。電車に乗ったら本を開く。きっかけになる動作を、あらかじめ決めておきます。

さらに効くのが、前の晩に本を机の上に出しておくことです。本棚から取り出す手間が消えるだけで、翌日の自分のハードルは大きく下がります。

今の自分に必要な本を選ぶ

話題のベストセラーだから、と買ってみたものの、最後まで読まずに本棚で眠っている。そんな本は、ありませんか。

本選びをおすすめだからで決めると、挫折しやすくなります。基準にしてほしいのは、今の自分に必要だと思えるか、です。

仕事で困っていること、知りたいと感じていること。そこに直接ひもづく本なら、最後まで読む力が自然とわいてきます。

習慣をつける段階では、難易度も下げて構いません。図解の多い本でも、薄い新書でも、読み切れた経験が次の1冊につながります。

読んだら一言アウトプットして終える

読みっぱなしだと、内容は残りにくく、達成感も生まれません。読み終えたら、1分だけ手を止めてみてください。

要点はこういうことだった。明日これを試してみよう。この2つを声に出すか、メモに一行書くだけで十分です。脳は、外に出した情報を「残すべきもの」と判断します。

読んだ本のタイトルを記録に残すのもおすすめです。冊数が目に見えると、それ自体が次を読む動機になります。

冊数や完読を目標にしない

読書が続かない大きな原因は、完璧主義です。毎日◯時間読む、買った本は最後まで読み切る。この思い込みが、一度つまずいただけで読書から足を遠ざけます。

合わないと感じた本は、途中でやめて構いません。必要なところだけ読んで閉じてもいいのです。読まずに積み上がった本が気になるなら、積読を解消する読み方もあわせてどうぞ。

習慣が身につくまでの日数は、ロンドン大学の研究では平均66日。個人差も大きいものでした。続かないのは意志の弱さではなく、まだ脳が慣れる前なだけです。

習慣がついてきたら、読む量を増やすもう一つの方向もあります。読むスピードそのものを上げることです。1冊にかかる時間が短くなれば、同じ習慣のままでも受け取れる知識量は変わります。

本を読むのが遅いのは能力ではなく読み方のクセが原因で、読む速さは練習で底上げできる部分があります。読み方そのものを変える速読も、その選択肢の一つです。

読書の効果と習慣についてよくある質問

読書の効果は、どのくらいで実感できますか?

数週間から数か月が目安です。語彙力や知識は1冊で大きく変わるものではありませんが、続けるうちに、文章を理解する速さや会話の引き出しの変化として表れてきます。短期的な成果より、積み重ねを前提に考えるのがおすすめです。

1日にどのくらい、何冊くらい読めばいいですか?

習慣をつける段階では、1日3分や1ページで十分です。量より、毎日本を開くことを優先してください。慣れて物足りなくなってから、少しずつ時間を延ばしていけば無理なく続きます。冊数を目標にする必要はありません。

読んでもすぐ内容を忘れます。それでも読む意味はありますか?

あります。本の内容は、すべてを覚えていなくても、考え方の土台として残ります。記憶に残したい場合は、読んだ直後に要点を一言にして声に出す、一行の感想を書くといったアウトプットを挟むと定着しやすくなります。

紙の本と電子書籍は、習慣化に向いているのはどちらですか?

どちらでも構いません。大切なのは、すぐ手に取れる場所にあることです。紙なら机や枕元など見える場所に置く、電子書籍ならスマホのホーム画面に置くなど、目に入りやすくする工夫のほうが習慣化には効きます。

忙しくて読む時間がありません。どうすれば続きますか?

まとまった時間を待たず、スキマ時間に読むのがコツです。通勤中や寝る前など、すでにある生活の動作に読書をくっつけると、時間をわざわざ作らなくても続けられます。1回5分でも、積み重なれば十分な読書時間になります。

まとめ

読書には、ストレスの軽減や語彙力、共感力、思考力など、心と仕事の両面に効く効果があります。しかも、その多くは研究でも確かめられています。

ただ、効果はどれも1冊では表れません。続けて、はじめて積み上がるものです。

だからこそ大切なのは、完璧に読むことより、無理なく続けること。1日3分から始め、生活の動作とセットにし、自分を責めずに気楽に構える。それだけで、読書はぐっと続けやすくなります。

読書のメリットを、もっと短い時間でたくさん受け取りたい方へ。読むスピードそのものを変えるのも、一つの方法です。

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