読書すると年収は上がる?|データで見る相関と年収の高い人の4つの読書習慣

読書すると年収は上がる?|データで見る相関と年収の高い人の4つの読書習慣

「本を読むと年収が上がる」。よく聞く話ですが、本当でしょうか。

複数の調査では、年収の高い人ほど読書量が多いという傾向が確認されています。ただし、これは相関であって因果ではありません。「読んだから年収が上がった」と言い切れる証拠はないのです。

この記事では、年収別の読書冊数データを正直に提示したうえで、年収の高い人がやっている読書の共通点と、年収を上げたい社会人が今日から取り入れられる読み方までを、出典つきでまとめます。

ManaBeラボ 浦地純也
  • 株式会社ManaBeラボ代表取締役
  • 中学校、高等学校理科教員免許
  • 国際ジェネラティブチェンジ協会ジェネラティブトランス修了資格
  • カリフォルニア大学発祥の心理学指導者資格

2013年、高知大学で理科教員免許を取得し、公立の高等学校で2年間理科教師として働く。その後速読に感銘を受け愛知県で速読教室と学習塾を開校。

その後、スタンフォード大学心理学博士のギリガン先生と出会い、「瞑想状態×速読」を用いた新しい速読メソッド【GSR(Generative Speed Reading)】をワールドクラスパートナーズ株式会社と開発。

2019年には、「人生を変える速読法 GSR」を出版。2025年までの10年間で44,000人以上への速読指導の実績。現在もオンラインで全国の人々へ向けて活動中。

目次

年収が高い人は、本当に本をよく読むのか

年収が高い人は、本当に本をよく読むのか

年収と読書量の関係を語る前に、まずは数字で現在地を確認しましょう。年収の高い人は読書家、というイメージが、どのくらい裏づけのある話なのか。複数の調査から見ていきます。

年収別の読書冊数データ

幻冬舎ゴールドオンラインなどがまとめた複数の調査では、年収と月の読書冊数に次のような差が見られます。

  • 年収1,800万円以上(40歳以上):月平均 約5.4冊
  • 年収600万円台:月平均 約2.5冊
  • 年収300万円台:月平均 約1.3冊

米国の起業家トーマス・コーリーの調査『Rich Habits』にも、似た結果があります。富裕層の88%が1日30分以上の読書を習慣にしている一方で、年収300万円以下の層では2%にとどまっていました。米国のデータをそのまま日本に当てはめることはできませんが、傾向は同じ方向を向いています。

日本人全体の読書量との対比

「月5冊」と聞いてもピンと来ない方は、平均的な日本人と並べて見るのがわかりやすいです。

文化庁の「令和5年度 国語に関する世論調査」では、漫画・雑誌を除く本(電子書籍含む)を1ヶ月に1冊も読まないと答えた人が62.6%。2013年度の47.5%から大きく増えました。月1冊以上読む人は52.3%から36.9%に減っています。

ここに先ほどの数字を重ねると、景色がよく見えます。日本人の6割は月0冊。その中で月1冊以上読めば上位3〜4割に入り、月5冊読めば平均的な日本人の景色を抜けて、富裕層と同じレンジに入ります。

「読書したから年収が上がった」とは言い切れない

「読書したから年収が上がった」とは言い切れない

相関が確認されると、つい「では読書すれば年収が上がるのか」と話を進めたくなります。ここで一度、立ち止まらせてください。データの読み方を一段だけ丁寧にしておかないと、この先の話がぶれます。

相関は確かにあるが、因果ではない

統計の世界では、「2つのものに関係がある」と「片方がもう片方を引き起こす」は別の話として扱います。年収と読書量の場合、関係を生む経路は少なくとも3通り考えられます。

  • 順方向:読書する → 知識や思考力が増える → 年収が上がる
  • 逆方向:年収が高い → 時間とお金に余裕ができる → 読書時間が取れる
  • 第三の変数:向上心や知的好奇心が強い → 結果として読書も収入も増える

この3つはどれも、もっともらしい仮説です。現実にはおそらくすべてが同時に効いていて、どれか1つに切り分けることはできません。「読書したから年収が上がった」とだけ書く記事は、①の経路だけを切り取って因果として提示してしまっています。

それでも統計的な傾向はある

ここで「結局、読書しても意味がないのか」と感じる必要はありません。少なくとも読まない人より読む人のほうが、いい方向の確率に乗りやすい、という温度感の話です。

たとえば米イェール大学が2016年に発表した研究では、50歳以上の3,635人を約12年追跡したところ、週3.5時間以上読書する人は、まったく読まない人より12年後の死亡率が23%低いという結果が出ました。平均で約2年、長く生きていたことになります。

年収にせよ寿命にせよ、読書習慣のある層には、こうした良い傾向が重なって現れます。因果を断定するのではなく、この層の側に自分を寄せていく。それが、読書と年収のもっとも現実的な向き合い方になります。

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年収の高い人がやっている読書のやり方

ここからは「では何が違うのか」に踏み込みます。データを並べただけでは行動が変わらないので、年収の高い人の読書を観察したときに見える共通点を、4つに整理しました。すべてを真似する必要はありません。自分にまだ無いものから1つだけ試せば十分です。

1日30分以上を毎日(時間の確保)

もっとも明確な差は、読書に充てている時間の長さです。先ほど触れたコーリーの調査では、富裕層の88%が1日30分以上の読書を習慣にしていました。日本の年収300万円以下層が2%だったことを考えると、桁違いの差です。

ここで誤解しないでほしいのですが、忙しくないから読めているわけではありません。経営者や役員クラスの一日は、会議とメールで埋まっています。

それでも30分を確保しているのは、「時間が余ったら読む」のではなく「時間を先に押さえている」からです。朝の通勤前30分、昼休みの15分、就寝前の30分。読書枠を一日の固定スロットとして埋め込んでいる人がほとんどです。

ジャンルを限定しない(ビジネス書だけではない)

年収を上げたい人ほどビジネス書ばかりに偏りがちですが、富裕層の読書はもう少し幅が広いことが調査からは見えます。

コーリーの『Rich Habits』では、富裕層は記憶法・成功者の伝記・自己研鑽系を好む傾向が指摘されています。一方で、評論家・外山滋比古は『乱読のセレンディピティ』(扶桑社, 2014)の中で、ジャンルを限定しない「乱読」が思いがけない発見やアイデアを生むと書いています。

仕事に直結する本ばかり追っていると、視野が狭くなり、発想も似てきます。ビジネス書を芯に置きながら、月に1冊は小説・歴史・科学など、自分の仕事と関係のない本を混ぜる。これが、長く効く読み方になります。

アウトプット前提で読む

読み終えた瞬間に「読み切った」で満足してしまうと、本の内容は数日で輪郭が薄れます。年収の高い人ほど、読書を「読む→使う」のセットで設計しています。

私が受講生におすすめしている型は、シンプルです。読了直後の60秒で、次の2つを書き出します。

  • この本から最大の学びになったことは〇〇
  • 具体的に行動することは〇〇

寝る前に1冊読み終えたら、スマホのメモを開いてこの2行だけ書く。ここまでが読書です。書いた内容を翌朝の予定帳に1行転記しておけば、行動への橋渡しまで自動的に進みます。

読んだ知識が翌日の仕事の選択を変えるようになると、読書と年収の距離は一気に縮まります。読んだのに行動が変わらない原因と対策については、本を読んでも行動できない3つの落とし穴と今日から試せる設計で詳しく整理しています。

読書を自己投資として捉えている

年収の高い人は、本に対するコスパ感覚が独特です。1冊1,500〜2,000円で、著者が何年・何十年かけて練り上げた経験や知見を受け取れる。これを、圧倒的に割安な時間圧縮だと見ています。

セミナーに10万円、コンサルに月数十万円を投じる人ほど、書店で2,000円の本を買うのを迷いません。むしろ、数千円の本でその分野の概観が手に入るならこれほど効率のいい自己投資はない、と判断しているからです。

逆に、本に2,000円は高いと感じるなら、その感覚そのものが年収の天井になっている可能性があります。同じ2,000円でも、ランチ2回と1冊の本では、半年後の自分に残るものがまったく違うはずです。

年収を上げたい人がやるべき読書の進め方

前章で見た共通点を、自分の毎日に落とすとどうなるか。年収を上げたい社会人が今日から取り入れられる読み方を、4つに絞ってお伝えします。

「何を読むか」より「どう読むか」を整える

本選びに時間をかける人は多いですが、結果を左右しているのは読む姿勢のほうです。

私が必ずおすすめしているのは、本を開く前に1分とって、「この本から何を得たいのか」を1行にしておくこと。たとえば営業の本なら「来月のクロージング率を上げるヒントを1つ持ち帰る」、ライティング本なら「メールの書き出しのストックを3つ仕入れる」。

問いを持ったまま読むと、脳のフィルター(網様体賦活系)が働いて、関連する情報の認識量が増えます。同じ1冊を読んでも、得るものの密度がまったく変わってきます。

仕事・キャリアに直結する本を中心に選ぶ

ジャンルを広く取ることと、軸をぶらすことは別の話です。年収を意識するなら、芯はいま自分が成果を出したい領域の本に置きます。

私の受講生に上田さんという方がいます。営業の専門書を2週間で約100冊まとめ読みしたところ、商談での提案の引き出しが一気に増え、社内での評価が変わりました。

専門領域の本を一気にまとめ読みすると、知識が点ではなく面でつながり、アウトプットの質がもう一段上がります。100冊が無理でも、同じテーマで5冊を1ヶ月で読み切るだけで、土地勘の解像度はかなり変わります。

「量」を確保するには「速度」も底上げする

毎日30分の読書時間を確保しても、1冊に1ヶ月かかると年12冊どまりです。同じ30分で2倍読めるようになれば、年24冊。この差が、数年単位で見るとかなり効いてきます。

日本人の平均読書速度は、文献によって幅がありますが、おおむね分速400〜600字程度と言われています。文庫本1ページが約600字なので、平均速度なら1分1ページが目安です。月の冊数を増やしたいなら、読書時間を増やす方向と、読む速度そのものを上げる方向の、2軸でしか変わりません。本を早く読む方法と速度を上げる3つの原理も参考にしてください。

年収を上げたい人ほど、「読む量 × 読む速度」の掛け算が効きます。私が教えている速読法GSRも、そもそも読む速度を底上げしてインプット量を増やすことを目的に設計されたトレーニングです。

読んだ知識を必ず使う

最後に、もう一度だけ強調させてください。読んだ知識を使うかどうかが、読書と年収をつなぐ最後の接点です。

前章で紹介した2行アウトプットを、もう一度書きます。

  • この本から最大の学びになったことは〇〇
  • 具体的に行動することは〇〇

読書を年収に変換しているのは、知識そのものよりも、知識を起点に取った行動のほうです。明日の会議で1つだけ違うことを試す。週末に1つだけ違うサービスに触れてみる。その小さな積み重ねが、半年後・1年後のキャリアを動かします。

読みっぱなしの本は、本棚には残りますが、収入には反映されません。

読書と年収についてよくある質問

読書すれば本当に年収が上がりますか?

「読めば必ず上がる」とは言えません。年収と読書量に相関はあっても、因果として証明されたわけではないからです。ただし、富裕層に読書習慣が多いのは複数の調査が示している事実です。年収の高い層に共通する習慣を一つ取り入れる、という距離感で読書に取り組むのが現実的だと考えています。

年収の高い人は、どんな本を読んでいるんですか?

米国のコーリーの調査では、自己啓発書・記憶法・成功者の伝記といった自己研鑽系を好む傾向が指摘されています。ただ、それだけに偏ると視野が狭くなります。外山滋比古が勧めた「乱読」のように、ビジネス書を芯にしつつ小説や歴史も月1冊は混ぜるのがおすすめです。

仕事に直結するビジネス書だけ読んでいれば十分ですか?

短期の成果には効きますが、長期では足りません。ビジネス書ばかりだと発想の引き出しが似てきます。月に1冊でいいので、自分の仕事と関係のないジャンルの本を入れてください。一見遠回りに見える知識の組み合わせから、新しい提案や視点が生まれます。

読書する時間がそもそも取れない場合はどうすればいいですか?

まず、時間が余ったら読むという発想をやめてください。先に時間を押さえるほうが確実です。朝の15分、通勤の20分、就寝前の20分のうち、自分の生活に組み込みやすい1枠を読書に固定するだけで、月3〜4冊は無理なく読めます。時間の作り方の具体策は読書時間を確保するコツ|1日15分からできる5つの方法と最適な時間帯で詳しくまとめています。

速く読めれば、年収アップに有利になりますか?

有利になりますが、速度だけでは因果になりません。速く読めれば月あたりの冊数が増え、同じ時間でインプット量を2〜3倍にできます。ただし、読んだ知識を仕事の行動に変換しないと年収には反映されません。「読む量 × 読む速度 × 行動への変換」の掛け算で初めて効きます。

年収アップに即効性のあるジャンルはありますか?

即効性で選ぶのはおすすめしません。短期で効きそうな本ほど内容が薄く、半年後には記憶に残らないことが多いです。それより、今あなたが成果を出したい領域の専門書を5〜10冊まとめ読みするほうが、結果的に早く成果につながります。

まとめ

「読書すれば年収が上がる」と煽る記事は多いですが、データを正確に見ると、相関はあっても因果は断定できません。

それでも、年収の高い層に読書習慣が多いのは事実です。彼らには次の4つの共通点があります。

  • 時間を先に押さえる
  • ジャンルを限定しない
  • アウトプット前提で読む
  • 自己投資として捉える

年収を上げたい社会人にとって大事なのは、「どの本を読むか」より「どう読むか」を整えることです。仕事に直結する領域を芯にしつつ、量と速度の掛け算で読む冊数を増やし、読んだ知識を翌日の行動に1つでも変換していく。この回路ができてくると、読書の時間が静かに収入を押し上げてくれます。

私が教えている速読法GSRは、読む速度を底上げしてインプット量を増やすことを目的に設計されたトレーニングです。読書量を増やして仕事の幅や市場価値を底上げしたいと考えているなら、参考になるかもしれません。

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