人の名前がすぐに出てこなかったり、資料を読んでも前より頭に入りにくかったりして、脳の老化を防ぐには何をすればいいのかと調べ始めたってことありませんか?
50代を過ぎると、もう年だから仕方ないのかなと半分あきらめてしまいますよね。
脳の老化を防ぐには、体の生活習慣を整えることと、頭の使い方を変えることの2つが要ります。
とくに頭の使い方は、慣れたことの繰り返しや受け身の刺激ではなく、少し難しい新しいことを学び、読んで考え続けることが大切です。
60代以降に新しいことを学んで記憶が伸びたという研究もあるので、今からでも遅くはありません。
この記事では、研究でわかった脳の老化を防ぐ生活習慣と、今日から変えられる3つの頭の使い方を紹介します。
この記事の執筆・監修
浦地純也(しゃっく)
速読メソッド「GSR」講師 / 株式会社ManaBeラボ 代表取締役

- 株式会社ManaBeラボ代表取締役
- 中学校、高等学校理科教員免許
- 国際ジェネラティブチェンジ協会ジェネラティブトランス修了資格
- カリフォルニア大学発祥の心理学指導者資格
2013年、高知大学で理科教員免許を取得し、公立の高等学校で2年間理科教師として働く。その後速読に感銘を受け愛知県で速読教室と学習塾を開校。
その後、スタンフォード大学心理学博士のギリガン先生と出会い、「瞑想状態×速読」を用いた新しい速読メソッド【GSR(Generative Speed Reading)】をワールドクラスパートナーズ株式会社と開発。
2019年には、「人生を変える速読法 GSR」を出版。2025年までの10年間で44,000人以上への速読指導の実績。現在もオンラインで全国の人々へ向けて活動中。
脳の老化は50代からでも防げる

年齢による脳の変化そのものを止めることはできませんが、その進み方は、生活習慣と頭の使い方で変わります。50代からでも、60代からでも遅くはないんです。
そう言われても、本当かなと思いますよね。ここでは、日本とアメリカの3つの研究で確かめていきます。
良い生活習慣が多い人ほど脳の萎縮が少ない
良い生活習慣を多く続けている人ほど、2年間の脳の萎縮が少なかったという研究が日本にあります。
国立長寿医療研究センターが、40〜87歳の地域の住民1,665人の脳を2年あけて2回調べました。その結果、6つの良い生活習慣が1つ多いごとに、脳の灰白質という部分の萎縮が2年で100〜200㎣ずつ抑えられていました(国立長寿医療研究センター「良い生活習慣と脳の老化」)。
つまり、どれか1つを完璧にやるより、良い習慣を1つずつ増やしていくことに意味があるということです。6つの習慣の中身は、このあと詳しく紹介します。
読む・書く習慣がある人ほど衰えがゆるやか
本を読む、手紙を書くといった頭を使う活動が多い人ほど、年を重ねてからの認知機能の衰えがゆるやかでした。
アメリカのラッシュ大学の研究チームが、高齢の参加者294人に毎年テストを受けてもらい、平均5.8年追いかけた研究です(Wilson et al., 2013, Neurology)。
この研究では、今の生活で頭を使う活動が多い人ほど衰えがゆるやかで、子どもの頃と中年期に頭を使う活動が多かったことも関係していました。中年期というのは、ちょうど今のあなたの年代です。
今日、本を開くかどうかが、この先の頭の衰え方につながっていくんです。
60代以降に新しいことを学んで記憶が伸びた
60〜90歳の人が新しいことを3か月学んだところ、記憶の力が伸びたという研究があります。
テキサス大学ダラス校のパーク教授らは、60〜90歳の221人をいくつかのグループに分けました(Park et al., 2014, Psychological Science)。
| グループ | 3か月間やったこと | 記憶の変化 |
|---|---|---|
| 新しい技能を学ぶ | デジタル写真の撮影と編集、パソコンで動かすミシンでのキルト作り | 伸びた |
| 人と楽しく過ごす | 料理、ゲーム、映画、遠足などを仲間と | 学ぶグループほど伸びなかった |
| 家で軽い頭の作業 | 音楽を聴く、クロスワードなどの言葉のパズル | 学ぶグループほど伸びなかった |
学ぶグループは、週15時間以上を3か月続けました。とくにデジタル写真を学んだグループで、記憶の伸びが大きかったんです。
しゃっく90歳の方まで参加して記憶が伸びているんです。50代や60代は、まだまだこれからですよ。
なお、物忘れが急に増えた、慣れた道で迷うなど、仕事や生活に支障が出ているときは、年齢による変化とは別の原因も考えられます。その場合は、ひとりで抱えずに医療機関に相談してください。
脳の老化を防ぐ生活習慣


脳の老化を防ぐ生活習慣は、食事・運動・睡眠・禁煙・お酒を控えること・人との関わりの6つです。先ほどの国立長寿医療研究センターの研究でも、この6つを良い生活習慣として調べています。
どれも聞いたことがある話ですよね。だからこそ、全部を一度に変えようとせず、今いちばん崩れているものを1つ選ぶのがおすすめです。
同じ研究では、男性は禁煙と、仕事や地域の活動に参加していることが、女性はいろいろな食品を食べていることが、脳の萎縮が少ないことと強く関係していました。
定年が近づいて人と会う機会が減りそうな方は、仕事以外に顔を出す場所を1つ持っておくことも、立派な脳の老化対策になります。
運動や睡眠、食事のくわしいやり方は、脳を元気に保つ方法をまとめた記事で紹介しています。


脳の老化を防ぐ頭の使い方
脳の老化を防ぐ頭の使い方は、少し難しい新しいことを選ぶこと、読んで書き出すこと、処理の速さを鍛えることの3つです。体の習慣だけでは足りない部分を、頭の側から補います。
50代になると、仕事でも家でも、慣れたことだけで1日が回るようになりますよね。脳から見ると、その慣れた毎日がいちばん刺激の少ない状態なんです。
慣れたことより少し難しい新しいことを選ぶ
1つ目は、慣れたことを続けるより、少し難しくて新しいことを選ぶことです。
先ほどのパーク教授らの研究で記憶が伸びたのは、写真の編集ソフトやパソコンで動かすミシンのように、覚えることが多くて最初はうまくいかない技能を学んだグループでした。
一方で、仲間と楽しく過ごしたグループや、クロスワードなどの言葉のパズルを続けたグループは、学んだグループほど伸びていません。


ポイントは、頭が少し疲れるくらいの、自分にとって新しいことかどうかです。たとえば次のようなことです。
- やったことのない楽器や外国語を習い始める
- 仕事で避けてきた分野の本を1冊読む
- スマートフォンの使っていない機能を1つ覚える



慣れたパズルを毎日解くより、苦手なことに手を出すほうが脳には効くんです。うまくできなくて大丈夫ですよ。
見るだけで終わらせず読んで書き出す
2つ目は、情報を見て終わりにせず、文章を読んで、自分の言葉で書き出すことです。
ラッシュ大学の研究で衰えがゆるやかだったのは、本を読む、手紙を書くといった、自分の頭で言葉を処理する活動が多い人たちでした。
テレビやスマートフォンの動画は、流れてくる情報を受け取るだけでも時間が過ぎていきます。読むときは、自分で文字を追い、意味をつなげて理解しないと先に進めませんよね。
さらに、読んだあとに大事だと思ったことを3行だけ書き出すと、思い出して言葉にする作業が加わります。
- 読んだ本や記事で、いちばん心に残った1文
- それを読んで、自分はどう思ったか
- 明日の自分の生活で、試してみたいこと
手帳の隅に書くだけで十分です。読むことと書くことが、いちばん身近で、毎日続けられる頭の使い方なんです。
処理の速さを意識して鍛える
3つ目は、情報をすばやく処理する練習を取り入れることです。年齢とともに落ちやすいのが処理の速さですが、鍛えた効果は長く残ります。
アメリカで行われたACTIVEという大きな研究では、平均73.6歳の2,832人が、記憶・推論・処理の速さのどれかのトレーニングを10回受けました(Rebok et al., 2014, Journal of the American Geriatrics Society)。


10年後に調べると、推論と処理の速さのトレーニングは、鍛えた力への効果が残っていました。なかでも効果がいちばん大きかったのが、処理の速さです。記憶のトレーニングの効果は、10年後には残っていませんでした。
処理の速さは年齢で落ちやすい一方で、鍛えれば何年も保てる力なんです。
毎日の生活で処理の速さを使うのに、いちばん身近なのが読むことです。読むときは、目から入った文字を意味に変え、前の文とつなげて理解する作業を、一瞬ごとに繰り返しているからです。
集中して読む時間をつくるコツは、集中力についての記事でまとめています。


50代から読む量が減ると脳を使う機会も減る
50代から読む量が減ると、脳の老化を防ぐ頭の使い方のうち、いちばん身近なものを手放すことになります。読むことは、新しいことを学ぶ入口でもあり、処理の速さを使う場面でもあるからです。
ところが、最近は本を開くのがおっくうになった、昔ほど読めなくなったと感じている方も多いんですよね。


読むのがしんどいから読まなくなり、読まないから頭を使う機会が減り、ますます読むのがしんどくなる。この流れに入ってしまうと、せっかくの生活習慣の努力も半分になってしまいます。
読むのがおっくうになるのは年齢より読み方のせい
読むのがおっくうになるのは、年齢そのものより、若い頃と同じ読み方のまま、読む負担が増えていることが大きいです。
多くの人は、頭の中で文字を1つずつ声にしながら、最初から全部を理解しようとして読んでいます。この読み方では、読む速さは声に出せる速さまでしか上がりません。
そこに、手元の文字が見えにくくなる、読みたい本や読まなければいけない資料が増える、といった50代ならではの事情が重なります。1冊読むのにかかる時間と疲れが増えれば、本を開くのがおっくうになるのは当然ですよね。
頭の中で声にする読み方は、小学校の音読の授業から何十年も続けてきた習慣です。あなたの脳が衰えたからではなく、読み方を誰も教えてくれなかっただけなんです。



私も昔は、本を開くと3分で眠くなっていました。読み方を変えたら、読むことが楽しくなったんですよ。
速読法GSRは読み方を新しく学び直すトレーニング
私が教えている速読法GSRは、頭の中で声にする読み方と、全部を最初から理解しようとする読む順番を変えて、速さと理解を一緒に上げていく読み方のトレーニングです。
速読と聞くと、ページを飛ばして読む方法や、目を速く動かす訓練を思い浮かべますよね。でもGSRは、脳の使い方を変える読み方のトレーニングで、柱は次の3つです。
- 読む前に、呼吸を整えて落ち着いた集中状態をつくる
- 頭の中の音読を減らし、文字を見て意味を取る読み方に慣れる
- 読んだあとに、要点を自分の言葉で書き出す


GSRを学ぶことは、この記事で紹介した頭の使い方の3つと重なります。
| 脳の老化を防ぐ頭の使い方 | GSRで練習すること |
|---|---|
| 少し難しい新しいことを選ぶ | 何十年も続けた読み方を、新しい読み方に学び直す |
| 読んで書き出す | 読んだあとに要点を自分の言葉で書き出す |
| 処理の速さを鍛える | 文字を見て意味を取る速さを上げる |
もちろん、GSRは病気を防ぐ方法ではなく、読み方を変えるトレーニングです。ただ、読むのが楽になれば読む量が戻り、頭を使う時間そのものが増えていきます。
無料の入門動画講座や体験会を含めて、GSRを活用した人は累計45,000人を突破しています(PR-FREE 2026年5月22日)。
72歳からでも読み方は変えられる
読み方は70代からでも変えられます。GSRの受講生には、72歳で受講して読み方を変えた方もいます。


昔、速読に100万円以上を投資したにも関わらず習得できず挫折。速く読めた気になっているだけで、理解は全くできていない状態でした。しかし、GSRでは1分間に1万文字以上(日本人平均は500文字/分)を読み、アウトプットすることができました。
72歳にして、速読のリベンジ達成です!おかげさまで目標だった1年間で500冊読破にも成功しました!
速読に大きなお金をかけても身につかなかった方が、72歳で読み方を学び直して、理解しながら速く読めるようになっています。年齢を理由にあきらめる必要はないんです。
年齢と速読の関係は、40代・50代向けの記事でくわしく紹介しています。


最近本を開くのがおっくうになったと感じているなら、年齢のせいにする前に、読み方を新しく学び直してみてください。
無料の入門動画講座で、頭の中で声にしない読み方を体験できます。動画を最後まで見ると、通常5,000円のGSRオンライン体験会にも無料で参加できます。
脳の老化を防ぐことについてよくある質問
- 脳の老化を防ぐには、何から始めればいいですか?
-
今いちばん崩れている生活習慣を1つ整え、同時に少し難しい新しいことを1つ始めるのがおすすめです。国立長寿医療研究センターの研究では、良い生活習慣が1つ多いごとに脳の萎縮が抑えられていました。頭の側は、本を1冊読んで3行書き出すことから始められます。
- 脳の老化は何歳から始まりますか?
-
情報を処理する速さのように、若い頃から少しずつ下がっていく力はあります。ただし進み方は、生活習慣や頭の使い方で変わります。60〜90歳の人が新しいことを3か月学んで記憶が伸びた研究もあり、何歳から始めても遅くはありません。
- 脳トレやパズルは脳の老化防止に効果がありますか?
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慣れたパズルを続けるだけでは、効果は限られます。60〜90歳を対象にした研究では、クロスワードなどの言葉のパズルを続けたグループより、デジタル写真のような新しい技能を学んだグループのほうが記憶が伸びました。自分にとって新しく、少し難しいことを選ぶのがポイントです。
- 50代から脳を若返らせることはできますか?
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年齢による変化をなかったことにはできませんが、衰えにくい状態に近づけることはできます。新しいことを学ぶと記憶が伸び、処理の速さを鍛えた効果は10年後も残っていたという研究があります。50代は、生活習慣と頭の使い方を見直すのにちょうどいい時期です。
- 読書は脳の老化を防ぐのに役立ちますか?
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役立ちます。本を読む、手紙を書くといった頭を使う活動が多い人ほど、年を重ねてからの衰えがゆるやかでした。読むのがおっくうになっている場合は、頭の中で声にする読み方を見直すと、読む負担が減って読む量を戻しやすくなります。
- 脳の老化を防ぐには、1日どれくらい時間をかければいいですか?
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最初は1日15分から始めて十分です。記憶が伸びた研究では週15時間以上を3か月続けましたが、いきなり同じ量を目指すと続きません。通勤中に本を読む、寝る前に3行書き出すなど、毎日の生活の中に小さく入れて、慣れてきたら新しく学ぶ時間を少しずつ増やしてください。
この悩みの全体像は「前頭葉を鍛える方法」にまとめています。あわせて「80歳でも脳が老化しない人がやっていること」「スマホで前頭葉は衰える?研究でわかる大人の脳への影響と疲れさせない4つの使い方」も読まれています。
まとめ
脳の老化を防ぐには、体の生活習慣を整えることと、少し難しい新しいことを学び、読んで考え続けることが要ります。
- 良い生活習慣が1つ多いごとに、2年間の脳の萎縮が抑えられていた
- 本を読む、手紙を書くといった活動が多い人ほど、衰えがゆるやかだった
- 60〜90歳でも、新しい技能を3か月学ぶと記憶が伸びた
- 処理の速さを鍛えた効果は、10年後も残っていた
そして、その頭の使い方のいちばん身近な入口が、読むことです。50代から読むのがおっくうになっているなら、それは脳の衰えではなく、何十年も前の読み方のままだからです。
今日はまず、気になっていた本を1冊開いて、読み終えたら3行だけ書き出してみてください。
そのうえで、読むことを一生続けられる頭の使い方に変えたいなら、迷わず無料の入門動画講座を受け取ってください。読み方を新しく学び直すことは、それ自体があなたの脳にとってのいちばん身近な新しい挑戦になります。













